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教育

博士課程修了者の25%が就職も進学もできずに浪人生活 183

ストーリー by hylom
就職浪人も高学歴化のきざし 部門より

ある修士過程修了生 曰く、

文部科学省の調査によると、昨年3月の博士課程修了者の25%が、就職も進学もできずに「浪人生活」を送っているそうだ。さらに、この数字にはフリーターとなった修了者は含まれていないとのこと(YOMIURI ONLINEの記事)。

一昔前は博士課程修了者の進路として、大学の助教などについて教授を目指すか、もしくは研究職として一般企業や国公立の研究所に就職する、公務員になる、といったものが多かったと思うが、博士課程修了者が増えてもそれらのポストは必ずしも増えてはおらず、そのため研究職として就職できるのは限られているのが現状のようだ。

さらに、博士課程修了者の年齢や、「頭が固い」といった偏見により、非研究職への就職も難しいと記事では述べられている。

/.読者の中にも大学院生や研究者はいると思うが、実際のところ就職状況や卒業後の進路はどうなっているのだろうか? また、企業側は大学院修了者についてどのように見ているのだろうか? ご意見をうかがいたい。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2008年07月28日 14時02分 (#1391958)
    うちの会社には特に募集などをしていなかったが、某国立大学の博士課程を修了した人間が売り込みに来て、妙におもしろい奴だったんで上司に「あの人は絶対何かおもしろいことしますよ。ここで逃がしたら絶対後悔します」とそそのかして採用しました。
    入社して直後、ものすごく言いにくいようなこともずばずば言いまくるせいもあって(会社で大学みたいなつもりで議論したらおいさんたちはついて行けません)上司は苦労したようですが、今まで会社の中で眠っていた妙なアイデアや技術を組み合わせてうまいこと成功させ、手法こそかなり強引でしたが十年少々たった今や彼は私の上司です。(元々年上ですが)
    地方の中堅企業、しかも一族経営の強い会社ではかなり珍しい事なんですが、たぶん大企業ではこんな無茶は通らなかったと思うし、こういう中堅企業にこそ、こういう頭脳を注入すべきではないでしょうか。

    とはいえ……博士課程出身者には妙なブランド志向プライド思考があるものと、ただ研究が出来ていればよいと考えるもの、ベンチャー的考え方で突き進むタイプと三種類あるという話を聞きました。前者と二番目は大企業向けですが、後者は技術はあるが決め手がない中堅企業にこそ向いているのではないでしょうか。経営者に気に入られ、結果さえ出せばある程度好き勝手にさせてくれますし、就職枠うんうんなどを別にして「私を買いませんか」と売り込むってのも手だと思います。

    さて、その彼は今独立する事を画策しています。私は声を掛けられついて行きますが、どうもごっそりと使えそうな人間は彼について行くみたいです。そこまで考えると会社にとっては博士を雇用しても何もいいことはないというのは事実かも知れません。
    • by Anonymous Coward on 2008年07月28日 19時12分 (#1392178)
      これって
      • 博士課程を修了した人が優秀で
      • たまたまその人の能力にあった企業があり
      • 企業のトップがその人物の能力に理解があり
      • ある程度の権限がその人物に与えられ
      • 周りがなんとかそれについてきた

      って条件がそろったからうまくいったのでは。
      このうち一つでも欠けたら駄目だろう。

      こういう中堅企業にこそ、こういう頭脳を注入すべき

      と言い切るのは危険な気がする。
      特殊な高等教育を受けた人間を受け入れる土壌がそう簡単に中小企業にあるとは思えないし、それ以上に大学なんて社会的に見れば特殊すぎる環境で純粋培養されてきたんだから、中小企業の環境を理解しているポスドクがそう簡単にいるとは思えない。
      親コメント
  • 経験談 (スコア:5, 参考になる)

    by gonta (11642) on 2008年07月28日 17時43分 (#1392130) 日記
    博士号ドロップアウト人間です。経験談を若干。

    最終学歴は**大学大学院博士後期課程”卒業”にしています。博士号取得であれば”修了”です。他に”満期退学”とかいうのもありますが、言葉良くないので”卒業”にしています。自分で仕事始めて、裕福ではありませんが、食うだけでは何とか生活できています。

    自分がダメだったのは、どこかで「大学院行けばどうにか・・・」とか「博士号とれば・・・」と甘く考えていたかな?と思います。その他もろもろ複合的要因はありますが。

    現状はどうか?最悪です。優秀といわれていた人も、大学のポスドクどまり。大学の助手の募集自体が異常に少ないので、働き口が無い。100人のむらではないですが、知っている博士号持ちで、5名中助手1名、企業1名、ポスドク3名。ポスドクも、1年更新の超不安定雇用形態です。

    自分は、自分よりも優秀な連中がひどい雇用状況で苦しんでいるので、見切りをさっさとつけました。あと1,2年ねばれば・・・というのもありましたが、本当にひどい有様だったので、見切りをつけました。いろいろ失敗があった中、それだけは成功だったと思っています。

    25%が就職・進学してないという話ですが、ポスドクという形の事実上の「非正規雇用」も含めると、割合がかなり増えるんではないでしょうか?先が有望で、助手の前の地位としてのポスドクの人もいると思うので、なんともいえませんが。非常勤講師で・・・という話もありますが、最近では非常勤のクチさえも厳しいようです。

    知人に司法試験浪人がいます。博士号取得の就職浪人・司法試験浪人・他の資格(会計士とか税理士)の試験浪人を組み合わせると、結構な数になるんじゃないかな?努力もいいけど、ある程度で見切りつけないと・・・ある人の言葉を借りると「生涯学習」になる、とか。
    --
    -- gonta --
    "May Macintosh be with you"
  • そもそも「集団型」はほぼ同じ年齢・学年など、バックグラウンドが同じ人たちの中で差を見つける事が基本的な「人の見方」になるので、バックグラウンドがあまりにも違う博士課程卒業者がそこに混じると、逆に年齢のようなものばかり目立って不利になるでしょう。面接官も準備ができていないでしょうし。

    個人的には、博士課程を出る予定の人は、普通に言う「転職斡旋業者」のような所を利用したほうが有利だと思います。少なくとも併用するぐらいのつもりはないといけない。そうすれば、面接などは一対一になりますし、より専門性に注目した採用のされ方をします。「頭が固い」などの一般的イメージも一対一だとわきあがりにくい。

    あとは…2つぐらいかなぁ

    1) 話は判りやすく
    例を多用する、広く知られている知識だけで説明する、など『学部1年に説明する』つもりで話をする。
    博士課程修了者に求める能力の一つに「難しいことを理解し、それを易しく説明してくれる」事が挙げられます。その能力がある事を、ちゃんと証明する。

    2) 弱点を理解する
    面接などで、専門に関する説明を求められる場合があります。あるいは、問題を提起されてそれを解いてみろといわれるかもしれません。
    一般論としての解はあるかもしれませんが、企業の多くは『経済的制約』と『時間的制約』を持っています。そのためあなたが提示する解決策は「使えない」かもしれません。
    ここで重要なのは「あなたの提示した解決策が持っている弱点」をある程度説明した上で、『それらに関する制約事項がある場合は考え直す必要があります
    と言う事です。これさえ言ってしまえば、実際に制約事項を追加された場合に
    「うーん、申し訳ありません。今すぐには思いつきません」
    と言ったとしても許されます (^o^)。
    大事なのは考え直すと言うことで頭が固いというイメージを打破する事です。どうせ、相手の条件を完璧に事前把握するなど不可能なのですから。


    これは、修士号を持っている人が転職する場合も当てはまります。

    .

    でも考えてみれば。上記のようなことは「博士号を持っている自分が就職活動するとすればどういう戦略を立てる必要があるか」という命題に対する答です。これって、研究をするときの戦略の立て方と同じだよね?

    だから、もし博士就職難にあえいでいる人がいるとするなら、ちょっと立ち止まって「頭を使って考えてみる」事をまずお勧めする。すると『自分が知らなくてはいけない情報は何か』が見えてくるはず。2,3社ぐらいこの情報収集のために使ってみて、きっちり戦略を立ててから大本命にアタックする、ぐらいの事は自力で考え出して欲しいな
    --
    fjの教祖様
    • by vn (10720) on 2008年07月28日 15時02分 (#1392001) 日記
      もしもひとりの博士浪人に就職方法をアドバイスするなら、
      okky 氏が書いた内容はなかなか優れている。
      ただし、もともと博士を採ろうと思っていた枠を超えて、より多くの博士が
      就職するための戦略としてはこれでは弱い。ひとりが就職すれば、代わりに
      別のひとりが弾き出されることになりかねない。

      じゅんじゅんに職から弾き出されていって、いちばん弱い博士浪人が嵌りそうな
      陥穽がふたつある。ひとつは、日雇い派遣。もうひとつは、計画的に「新入社員」
      を搾取して使い捨てるブラック企業。(業態によっては、「新入社員」ではなく
      「個人事業主」の形を取るところもある。) 今のままでは、だれか弱い博士浪人が
      これらの道へ進むことを余儀なくされるか、さもなきゃホームレスになると思う。

      ただし、新興国にも博士OKの求人はある。インドや中国で働く気があるなら、
      現地では生活できる程度の給料で就職できるかも知れない。日本に戻ったら無年金者に
      なってしまうので経済的リスクは高いが、ぎりぎりのサバイバル手段としてはありだ。
      非常に残念だけれど、マクロ的にはそうやって危機を回避するくらいしか私には案がない。
      親コメント
      • by okky (2487) on 2008年07月28日 16時35分 (#1392077) ホームページ 日記

        もともと博士を採ろうと思っていた枠を超えて、より多くの博士が
        就職するための戦略としてはこれでは弱い。

        実は「転職斡旋業者を使え」と言うのは、彼らならば「日本以外のマーケットも視野に入れる」場合があるから。特に外資系リクルート会社は
        こういう人材がいるのだが、『日本に支社を作らないか?』と提案する
        事さえある。
        十分ではなかろうが、少しは役に立つだろう。25%が20%になるだけでもそこそこの成果だと思うが。

        というか。

        一番言いたいのは博士号までとっておいて、なんだその適応能力の無さは。君達の脳みそは、並みの学部生よりも出来がいいはずなんだろうが?! そして就職できるかどうか、というまさに今、その脳みその具合が試されているんだろうが?!! 使えよ! 脳みそを駆使してどうすれば自分が就職できるようになるか、どうすれば自分が普通の学部卒や高卒よりも魅力的な商品なのか、説得して見せろよ!!! という所なので。

        はっきり言って努力不足だとしか思えぬ。もちろん、努力のベクトルが大幅に間違っている場合を除いて、だが。そして、努力のベクトルが間違っているとするならば、それは:

        自分の労力が商品であることを失念した結果だとしか思えぬ。

        .

        ちょっとは「正義のためなら卑怯もいとわぬ」ウロタンダーを見習ってもらいたいものだ(ぇ?

        .

        ちなみに。

        日本に戻ったら無年金者になってしまう

        まず「日本に戻る必要なんぞあるのか」と「自分が日本で年金をもらえる年齢と言われるものになったときに、年金システムがまだ動作していると思えるのか?」の2点を熟慮する事はお勧めしたい。もしかすると、日本で年金を支払わなくて良いのはメリットかもしれない。
        --
        fjの教祖様
        親コメント
        • by vn (10720) on 2008年07月28日 16時49分 (#1392086) 日記

          博士号までとっておいて、なんだその適応能力の無さは。
          適応能力が低いからこそ、実社会に放り出すときはせめて博士号付きでなければ、
          ますます悲惨なことになる。送り出す側にはきっとそういう事情もあるんだろうな、
          と採用側もいくらか織り込んでいるわけだ。
          親コメント
  • ソースかな? (スコア:4, 参考になる)

    by geln12 (18637) on 2008年07月28日 14時13分 (#1391963) 日記
    報道発表にない [mext.go.jp]からみつけにくかった。
    平成19年度-高等教育機関 統計表一覧 [mext.go.jp]の86番
    「博士課程の進路別 卒業者数」が読売記事のソースでしょう。
    調査結果の概要 [mext.go.jp])

    読売記事の「企業側には偏見が広がっているという」のは別ソースですかね?
    文科省の別ソース「民間企業の研究活動に関する調査報告(平成18年度) [mext.go.jp]」ですが、

    新卒で採用した研究者の資質として、「期待以上」が
    ・学士卒 1.0% ・修士卒  1.4% ・博士卒 2.6% ・ポスドク経験者 2.2%
    「期待以下」が
    ・学士卒 31.1% ・修士卒 26.3% ・博士卒15.3% ・ポスドク経験者 8.1%

    なんてアンケートあるのですが。
  • 博士が100人いるむら [geocities.jp]
    に関して追証がされたということでしょうか。
  • by tol (19142) on 2008年07月28日 16時06分 (#1392048)
    海外ポスドクをしています。JREC-INなどの、オンラインで公募情報が得られるのはありがたいのですが、 結局応募は郵送であったり、要求書類の内容は大体同じなのですが、場所によって要求書類のフォーマット が字数だ、枚数だ、履歴書は手書きだと微妙な違いがあります。「規格」にそったきちんとした書類を用意で きるかどうかを見ているという話も聞いたことがありますが、そのような細かい制約の無い応募で通った 海外の教授達の事務能力が特に劣っているようにも見えません。このあたり、ポスドクの就職活動支援の一 環として、書類はオンラインで受付でかつフォーマットもある程使いまわしが利くように、JREC-INや各学科の 担当の方々が前向きに検討していただけると幸いです。 なを、実際そうすると、アメリカなどであるように、応募書類が増えるというのももちろんあるでしょうが、 応募書類を画面上で整理しながら比較検討出来て便利という採用者側の意見も聞いたことがあります。
  • ポストの数 (スコア:2, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2008年07月28日 13時28分 (#1391930)
    >> 博士課程修了者が増えてもそれらのポストは必ずしも増えてはおらず、

    オレの周囲を見る限りでは,「増えてはおらず」というよりも,博士課程修了者が増える一方で採用枠は減っているようにしか見えないなぁ.
  • by 0093 (29457) on 2008年07月28日 14時37分 (#1391984)
    正直言って分野にもよると思います.
    私なんかは工学系の中堅大学に所属していますが,周りで博士号を取られた方で浪人生活って方は知る限りはいません.
    パーマネントな職となると限られていますが,もともといきなりパーマネントな職に就ける世界でもないですし.
     
    一方では,数学科の方は厳しいという話をよく聞きます.
    私も数学科の人と交流があり,たまにお話を伺うのですが,厳しい実情があるようです.
    風の噂ですが,文系の院の方も,結構厳しいというのも聞きますね.

    なので分野によってまちまちなのではないでしょうか.
  • by Anonymous Coward on 2008年07月28日 20時09分 (#1392211)

    このまさに3月、身近なところで3人のドクターが誕生しました。一人はポスドクとして業界に残り、一人は企業就職、一人は就職浪人の後、職を見つけました。

    博士課程の敷居が下がって「質」の分布に広がりが出たとかよく言われますが、この3人はどいつも優秀なやつらでした。世間から博士課程学生のステレオタイプとして持たれてそうな、頭かたいとか、コミュニケーション下手とか、ぜんぜんそんなことない連中です。

    しかし、3人のうち2人は企業就職と言う道を選びました。ポスドクになり、将来のアカポスの道を探したいと言えば、なんとか3人ともにポストを用意できたかもしれないし、研究室を舵とりする側としては是非そうして研究室を盛り上げて欲しかったです。

    彼らに希望とか夢のある将来のビジョンを提供できない側でいることに、ショックを隠せずにいます。

  • まぬけな博士が多い (スコア:1, すばらしい洞察)

    by nipo (34616) on 2008年07月28日 13時13分 (#1391918)
    大体何がしたいかも分からずに博士号を取得している奴が多すぎるのではないでしょうか。
    小御路ざしというか、具体的な目標があれば、就職もできるでしょ。
    • by saitoh (10803) on 2008年07月28日 17時12分 (#1392107)
      逆だと思う。

      研究テーマは研究テーマ、仕事は仕事、という考えがちゃんとできるやつは、博士号をとっても普通に就職して会社人としてエンジニアその他になれる。でも、そういう学生は今の博士の就職状況を知っているので、修士くらいで就職してしまう。

      現状で博士課程に行きたがるのは、研究テーマにこだわるタイプ、つまり大学教員あたりをひたすら狙うタイプで、こっちのタイプを企業が評価すると、「使えねぇ」となるのも当然かと。

      たとえば、 常勤講師のポストを得るために何年も非常勤講師をして過ごす、とか、博士課程での研究テーマと同じ分野のことをできる就職しかしたくないとこだわる、なんて、「何をしたいか強固に分かりすぎている」人では?

      親コメント
    • マヌケってよりも (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2008年07月28日 17時01分 (#1392100)
      博士号取得が目的ではなく就職しないってのが目的の人間もこの頃は多々居るから、有る程度は仕方無い。

      後は学内に残るにしろ外部に出るにしろ仕事をするしか無いんだけど、元々それに不適応な人が残って居るって訳だから。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2008年07月28日 21時10分 (#1392265)
      >具体的な目標があれば、就職もできるでしょ。

      具体的な目標があって、そこへの道筋が限られていると思っているから就職できないのさ。可能性なんていくらでもあるし、人生どう転ぶか分からんと思っていれば、就職なんてすぐできるよ。就職が目標じゃないんだから。

      あとは、投資した分を無理に回収しようとしないことだな。本業であっても不採算部門では食えんから。

      とりあえず、そう思って、俺は生きている。
      親コメント
  • by techstrom (23460) on 2008年07月28日 13時38分 (#1391939)
    博士課程修了後の進学とはなんでしょう?
    読売のページには進学という言葉は出てきませんが…。

    博士課程修了の最速が27才となっていますが、飛び級を繰り返せば、高校、学部、修士、博士をそれぞれ1年ずつ短縮して23才で博士号とれるかと(実在するのかな…)。そんな人は就職難なんて関係ないのでしょうが。まぁ、途中で失敗すると中卒になっちゃいますが。(卒業・修了せずに入学のはず。あ、そもそも博士課程は修了せずに退学ですね。)
    • by hylom (27448) on 2008年07月28日 14時01分 (#1391956) ホームページ 日記
      「進学」という言葉は、読売のページの横のグラフから取っています。
      博士課程修了後に海外留学、というパターンも多いかと思われるので、その意味での進学ではないでしょうか。

      親コメント
  • by NOBAX (21937) on 2008年07月28日 14時22分 (#1391972)
    就職出来ないから、もしくは社会に出るのが怖いから
    院生になった、海外留学した、助手として居残った。
    箔をつけるために博士号を取った
    なんて人たちはもともと組織の一員として活動するには欠陥のある人で
    企業に来てもらっても使いものになりません。

    昔、石を投げればドクターに当たるというくらい博士号を持っている人が
    多い職場にいたことがありますが、その人達は就職後に研究成果を元に
    かっての大学の先生の指導を受けて博士号を取った人たちで、
    会社の業績より、自分の研究を優先させるようなところもありましたが
    いたって普通の人たちでしたよ。
    • by nim (10479) on 2008年07月28日 17時47分 (#1392133)
      >会社の業績より、自分の研究を優先させるようなところもありましたが

      研究開発のような専門職ではこれはむしろ当たり前のことで、
      そのベクトルをあわせるためにいろいろやるのがマネジメント、
      特にMOTと呼ばれる仕事の重要な部分だと思います。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2008年07月28日 14時23分 (#1391974)
    • 研究室の数は増やさない
    • 若くして教授になる人が増やす
    • 博士課程の学生を増やす
    • 博士の有用性を社会にアピールすることはしない
    を、少子高齢化が進み始めようという時期に同時に実施する、という馬鹿げた政策の結果、博士課程卒が増えたのに、
    • ポストは増えない
    • 少ないポストの人事が硬直化する
    • 博士課程の学生を社会で捌ききれない
    • 社会から「博士はただの高給取り」というイメージが払拭できていない
    という状態になっています。第二次ベビーブームの世代が一番とばっちりを受けているのではないでしょうか。

    学部卒のタイミングでバブルは弾けるし、真面目に年金払っても払った分は戻ってこないし、第二次ベビーブーマーは、ふんだりけったりだと考えているに違いありません。

    # 自作自演コメントなのでAC
  • タレコミ子 (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2008年07月28日 15時00分 (#1391999)
    > ある修士過程修了生 曰く、

    話題が話題だけに「修士持っててこれならねぇ」と・・・
  • 博士号取得者が「どーなの?」っていう論調をよく見かけます。 そしてそれに流される人が多いのにびっくりします。 確かに変な奴もいるが,それ以上に使える奴もいますよ。 使いこなせない(=博士号取得者とはどういう人か よく理解していない)人が多いのも事実だと思います。 当たり障りのない奴を使えば楽かもしれないけど, それ以上のこともないよね。
    • 今の日本の企業はゼネラリスト優位だからなぁ。
      #無論、「何でも屋」といった悪い意味のゼネラリストではないよ。 
      #一部でスーパーゼネラリストとか恥ずかしい名前で呼ばれてる方。

      たしかに、使いこなせないというのはある。
      ただ、そこまで今の日本の企業構造は安定してないのよな。
      とりあえず、今の企業は「それ以上のこと」は望んでないよ。
      インフラ高騰の対処で手一杯だしな。
      親コメント
    • >それ以上に使える奴もいますよ。使いこなせない(=博士号取得者とはどういう人かよく
      >理解していない)人が多いのも事実だと思います。

      まぁ、私の知り合いに元助手(元準教授)がいますが、非常にまめでしたよ。
      馬鹿な学部生(なんて彼は口が裂けても言わなかったですが)にどう教えるか
      に結構熱心でしたよ。まぁ、使いこなせない社会も悪いですが、使いこなして
      貰う努力をしない博士にも問題があるかと‥社会に問題があるのはおいといて‥
      #ま、今の日本企業が成長できない理由に博士を使いこなせないとこにあるかと‥
      親コメント
  • by torochan22 (36606) on 2008年07月28日 19時07分 (#1392171)
    企業からすると、人材育成の方向性は、
    1.即戦力の育成
    2.将来の経営層の育成
    に分かれると思います(即戦力と経営層って、全く育成方法が違うようですね)。

    「1.即戦力の育成」となると、大学4年卒業は、博士課程卒業に比べて仕事の経験が最低でも6年多い。
    だから、同じ年齢なら、大卒の方が即戦力になる。

    一方、本来博士課程には、「2.将来の経営層の育成(あるいは高度の専門化の育成)」であって、研究者としての専門性と、「考える力(考え抜く力)」の2つが望まれている。
    同年齢の大卒に比べて明らかに戦力としては下なのだけど、将来性がある、と見るわけです。

    しかし、残念ながら、最近の企業で求められているのは「即戦力」になる人材。
    「将来の経営層の育成」は、ややおろそかなのでは。

    大学は、むしろ「社会で役に立たないことをしている」とされて、博士はその最たるもの、などと考えられています。
    (だから、産学連携やインターンで即戦力を育てよう、という考え方も徐々に広がっているように思います。)

    博士卒には受難の時代ですね。
    (研究者としての専門性と、「考える力(考え抜く力)」が足りない博士卒は、どちらにしても就職は難しい?)
    by人のことを言えない博士課程中退者。
  • 現代の就職面接では、雇用者は被雇用者に対して面接時に「あなたは我が社に何をもたらしますか?あなたという人材の有効な使い道を教えてください」という趣旨の質問をし、それが合格に対する大きな影響を与えます。
    企業側は「あなたの使い方はあなたで考えて下さい」というスタンスです。
    「とにかく優秀な人材が欲しい、使い方はこっちで考えるから」という企業はごくまれです。
    (でも実際のところ、形骸化している質問のような印象を受けます)

    「やる気ある人歓迎します!」というキャッチフレーズがあふれてますが、これは「業務に対してやる気がある人」、つまり「業務が好きな人を募集する」という意味で、逆に考えると「研究は好きだけど業務が嫌いな人は要りません」というのが企業の本音でしょう。

    すぐに就職せず博士課程に行っちゃうくらいですから、修了者は仕事や金儲けに対してではなく研究自体が好きで、出世競争で他人をけ落としたりする政治的駆け引きや、営業や接待スキルも要求される、いわゆる”業務”、もしくは会社というもの自体に興味ない、という人は多いんじゃないでしょうか。

    「自分を有効活用できる業務くらい自分で考えろ」という意見ももっともですが、業務経験のない学生に対してその要求は酷です。
    それでも学生時代に優秀な研究結果を出したりして、決して”企業にとってプラスにならない”人材ではありません。優秀な人材ならば、使い方次第で企業にも利益をもたらすでしょう。
    現在の状況を打開するには、どのように人材を使うのか企業側にも提案が必要なのかもしれません。

    #面接における苦手な質問は「あなたは我が社で何をしたいですか」なんだよなあ
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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン

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