LXCプロジェクト、コミュニティーベースのコンテナ管理ツール「Incus」をスタート 31
開始 部門より
Linux Containers(LXC)プロジェクトは、LXDをフォークしてコンテナ管理ツールIncusを立ち上げた。(Incus, リポジトリ, gihyo.jp)
これは8年間LXCプロジェクトの管理下に置かれていたLXDプロジェクトを、Canonicalが突然自社管理に移行したことにコミュニティが反発したことが発端となっている。CanonicalはLXDでのUbuntuのSnapパッケージの利用や、Canonical製品に固有の機能や変更を推進していることから他のディストリビューションが切り捨てられるのではないかと懸念が強まっていた。LXDユーザーの多くはUbuntuを使用していないことから、LXCコミュニティーにとって深刻な懸念となっていた。これに対してMark Shuttleworth(Ubuntu創始者)氏は他のディストリビューションのサポートを停止するつもりはなく他の貢献者からの修正や変更を受け入れていると主張したが、Canonical管理下に置かれたLXDプロジェクトのメンテナはCanonicalの従業員であることが要求され、コードの提供にはCLAを結ぶ必要があり、コミュニティから反発が強まっていた。(LXD is now under Canonical, linuxadictos.com 1, 2)
結果としてopenSUSE プロジェクトで LXD パッケージをメンテしているAlexa Sarai氏と、Canonicalの元LXDプロジェクトリーダーであるStephane Graber氏によってLXDがフォークされ、何故か同名でありながら、それぞれ別ののIncusがスタートした。その後両者と他のLXD開発者、LXCコミュニティが協議した結果、IncusはLXCコミュニティー管理下のプロジェクトとなった。IncusプロジェクトにはLXD初期から参加している開発者の多くが参加している。
Stephane Graber氏はCanonicalがLXDを自社管理した後にLXDのプロジェクトリーダーと発表されたが、Canonicalを辞任している。Stephane Graber氏自身のブログで、「Canonical isn’t the company I excitedly joined back in 2011 and it’s not a company that I would want to join today」と辞任の理由を述べている。LXDについては「開かれたコミュニティで管理されることに価値があると感じている」としている。(ブログ)