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訃報: 世界初のコンピューターマウスを製作したウィリアム・イングリッシュ氏

タレコミ by headless
headless 曰く、

世界初のコンピューターマウスを製作したウィリアム・イングリッシュ氏が7月26日、呼吸器不全により91歳で死去したそうだ(The New York Timesの記事The Registerの記事9to5Macの記事)。

1950年代後半に海軍を退役したイングリッシュ氏はStanford Research Institute (S.R.I. / 現SRI International)に入り、誰もが操作できる新しいコンピューターの開発を構想していたエンジニアのダグラス・エンゲルバート氏と出会う。画面上のイメージを操作することで使用できるコンピューターというコンセプトを理解できる数少ない同僚の一人で、さらにそれを実現するための技術者としての才能や忍耐強さ、ソーシャルスキルを兼ね備えていたイングリッシュ氏は、エンゲルバート氏のラフスケッチを元に世界初のコンピューターマウスを製作する。

イングリッシュ氏のコンピューターマウスはパイン材のケースに2つの可変抵抗器を組み込んだもので、S.R.I.が開発したどのデバイスよりも素早く画面上をナビゲートできたそうだ。「mouse」という名称は、画面上のカーソルが当時「CAT」と呼ばれており、まるでデバイスの動きを追いかけるように見えたからだという。このコンピューターマウスは1968年、サンフランシスコで行われた実験的コンピューターシステム「NLS (oNLine System)」のデモで披露された。ステージ上ではエンゲルバート氏がデモを行い、イングリッシュ氏が48km以上離れた研究所でコンピューターを操作。コンピューター画面の映像は無線を通じ、NASAの研究所から借りたビデオプロジェクターでステージ上に映し出されたという。このデモはのちに「The Mother of All Demos」と呼ばれることになる。

デモから3年後、イングリッシュ氏はXeroxが新設したパロアルト研究所 (PARC)に移籍し、新しいコンピューター「Alto」にNLSのアイディアを数多く導入するための大きな力となる。Altoの開発を主導したアラン・ケイ氏によれば、すべての目標はNLSのアイディアを実装することだったという。Altoは後のMacintoshやWindows PC、その他インターネット接続デバイスの原型になったとのことだ。

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