パスワードを忘れた? アカウント作成
13510515 submission

次世代宇宙ステーションの主導権

タレコミ by Anonymous Coward
あるAnonymous Coward 曰く、
いささか旧聞に属するが、昨年の12月1日、林文科相は米国の深宇宙ゲートウェイ計画(DSG)への参画を目指す(正確には「参画などを念頭に、更なる検討を進める」)ことを発表した。

大臣会見
http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1399018.htm
大臣会見の言う「小委員会」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/071/shiryo/1397340.htm
大臣会見の言う「国際宇宙探査の在り方についての検討結果」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/071/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2017/12/13/1397340_8.pdf
https://en.wikipedia.org/wiki/Deep_Space_Gateway

DSGは既に9月にロシアの国営企業ロスコスモスが参加を表明している(事実上の)米露共同事業であり、トランプ大統領も12月11付けの大統領令を出している。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/071/attach/1397397.htm
https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/presidential-memorandum-reinvigorating-americas-human-space-exploration-program/

昨年筑波で行われたIECST(ISS探査技術検討チーム)やヒューストンでの多国間調整委員会(MCB)などのISSの作業部会の中心的なテーマはほぼDSG絡みであったらしく、順当に考えると、ISSは予算が組まれている2024年を最後に放棄または民間に委譲し、以降は月軌道上に有人宇宙ステーションを建設するプランへと移行することになる。これまでの経緯と今後の予定については
http://www.russianspaceweb.com/imp-2017.html
参照。

そして、ポピュラーメカニクスによると、最新のMCBは昨日まで東京で行われており、詳しいことは分からないが、ISS参加国である米加欧日露はそのままDSGに移行する模様。

ISSからDSGへの移行は遠くなる分のコストが嵩みそうだが、大気の影響を気にしなくていい分、噴射剤の補給などを考えれば低コスト化が期待できる。また、ソーラーパネルの性能はISSが計画された1990年代から飛躍的に進歩しており、DSGはその電力とイオンエンジンで推力を得る予定で、これもランニングコストの低減につながる。ちなみに、ISSは数十のモジュールで構成されているが、DSGは当面2つのモジュールだけになる予定である。

ただ、アメリカ一国主導で他が相乗りになる形なのか、ISS同様各国が(表面上)対等な関係になるのか、などの政治的な問題は未解決であり、また、有人火星探査の前線基地に特化させようとするアメリカと月面探査を優先させたいその他の国の思惑はずれており、細かいところではモジュールの電圧をアメリカに合わせて120Vにするか、なども決まっていないらしい。

情報元へのリンク
この議論は、 ログインユーザだけとして作成されたが、今となっては 新たにコメントを付けることはできません。
typodupeerror

アレゲはアレゲ以上のなにものでもなさげ -- アレゲ研究家

読み込み中...