ハッカーによる攻撃で旅客機が外部からコントロールされる。米国土安全保障省が実証

あるAnonymous Coward 曰く、

民間航空機の操縦がハッカーに乗っ取られる危険性が示唆されている。米国土安全保障省（DHS）は、民間航空機がリモートでハッキングできることを実証実験してみせたという。ハッカー攻撃を想定した実験は、昨年9月に米アトランティック・シテイ空港で行われた。被験対象となったボーイング757型機は2日間にわたってシステム侵入が試みられた。ハッキングチームは航空機のシステムに一般的な無線周波数通信でアクセス。そして、2016年9月19日にハッキングに成功。誘導路移動中に遠隔操作で操縦を乗っ取ったとされる。

こうした脆弱性が発見されても、各航空機のアビオニクス・サブシステムにパッチを当てることはコストがかかりすぎるという。アビオニクス機器の1行のコードを変更するためのコストは100万ドルが必要で、変更したものを実装するには1年必要だとしている。セキュリティコストでメーカーや破産しかねない。比較的新しいボーイング787型機やエアバスグループA350型機であれば、サイバー攻撃を想定した設計が行われている。しかし、現行の商用飛行機の90％以上を占める旧タイプではハッカーからの防御手段を有していないとしている（AVIATION、Sputnik、Slashdot）。