あのタネンバウム教授、MINIXとその近況を語る 83
ストーリー by headless
o-christmas-tree 部門より
o-christmas-tree 部門より
hylom 曰く、
UNIX系OSであるMINIXの開発者であり、Linus Torvald氏とOSについて激論を交わしたことでも知られるAndrew Tanenbaum(アンドリュー・タネンバウム)氏が、LinuxFr.orgのインタビューに応じ近況を語っている(LinuxFr.orgのインタビュー原文、gihyo.jpの記事)。
相変わらずLinuxに関しては攻撃的な物言いで、「Linuxは5%程度のシェアしかないのに成功したというのはおかしい」などとこき下ろしている。ともあれ、MINIXは順調に開発が進められており、組み込みシステムへの対応強化や可用性の向上など、今後も機能強化が続けられる模様。
MINIX 3の近況 (スコア:4, 参考になる)
MINIX 3は近年になって開発が加速して、中身はMINIX 4といってもいいほど変わっている。
しかしドキュメントが追い付いておらず、何が新しくなったかもよくわからない状態が続いている。
大きな変更点だけでも、思い出しただけ書き出してみた。
ACK以外にgccとClangでmake worldできるようになりました。
ELF化しました。
NetBSD userlandで徐々に置き換えているのでコマンド構文もNetBSD-likeに変わりました。
procfsを導入しました。
Virtual Addressを導入しました。
SMPに対応しました。
RS(Reincarnation Server)で、死んだドライバも即座に再起動できます。
SEF(System Event Framework)で、システムを止めずに状態も保ったままでドライバを差し替えできます。
currentは内部構造がしょっちゅう変わる。
広範囲のソースが一気に書き換えられて、昨日までのソースが
いつのまにかコンパイルできないことなどがしょっちゅう起きる。
外部からのパッチを受け入れない理由に、メンテしきれないこともあるんだと思う。
Minix3-currentはgitで公開されている。
http://git.minix3.org/?p=minix.git [minix3.org]
3.2.0のsnapshotをVMにインストールして、cd /usr/src; git pull
喝とか言ってる爺さんみたいなもの (スコア:1)
タネンバウム先生は、言ってみれば、セルジオ越後とか張本勲みたいな存在ですね。
もう減らず口を叩く爺さんという扱いで、学者や開発者として尊敬される存在ではないのでしょう。
Re:喝とか言ってる爺さんみたいなもの (スコア:2)
『*あの*タネンバウム教授』だしね。
Re:喝とか言ってる爺さんみたいなもの (スコア:1)
権力を持っていなければ何も問題ないんだが都知事だったり読売新聞の社主だったりすると(ry
Re: (スコア:0)
この場合、OS研究の第一人者とされている人の発言なので、OSの研究という分野の信頼にダメージを与えかねないですね
まあ、実際OSの研究なんてのは当てにされてないし、先細りなんですが……
Re: (スコア:0)
まだそういう評価をするには早すぎるような。まだまだ現役の開発者ですよね。
Re:喝とか言ってる爺さんみたいなもの (スコア:1)
スラドのストーリーにもなってましたね。
「Linuxの父はLinusではない」!? [srad.jp]
お元気そうで何より (スコア:1)
タネンバウム先生がLinuxのことベタ褒めだったらそれはそれでイヤだろ?w
Re: (スコア:0)
批判する人が居ること、批判が出来る環境であること。それが健全な状況でしょうね。
Re: (スコア:0)
タネンバウム先生がLinuxのことベタ褒めだったらそれはそれでイヤだろ?w
RMSと同じで姿勢を変えないってのは
その道の人として好きですね。
# 発言の好き嫌いとはまた別の話ですが
たしかにLinux熱は冷めているのかも (スコア:1)
以前は世の中に氾濫しているWindowsへの対抗馬として妙な存在感はあったものの、
今の立ち位置は、インストールすればだいたい動く無難なUNIXという感じで、
コミュニティやオープンソースのあり方も含めて、かつてのLinuxへの期待ってもう無いような
業務で使われて安定勢力として落ち着けた反面、熱狂的にLinuxを支持しているユーザー層も薄くなったと思う。
Re: (スコア:0)
以前は世の中に氾濫しているWindowsへの対抗馬として妙な存在感はあったものの、
出だしのころ(90年代前半まで)は「商用UNIX(SunOS・HP-UX・SGI IRIX)の代替」じゃなかったっけ?
少なくとも、俺が手をだした(96年ころ)動機はそれ。
「なんでBSD系にしないの?」と聞かれた。「なんでWindowsにしないの?」とは聞かれなかった。
そのころBSD系のフリーなやつ(FreeBSDとかNetBSDとか)が裁判でごたごたしてるうちに
LinuxがPC用UnixライクOSのデファクトになった記憶。
デスクトップ環境が豪華になった(そして重くなった)のは2000年くらいじゃないかなぁ。
Linuxの歴史としてはかなり後で、”教授”とやりあったときから10年以上後。
マスコミとかで取り上げられるようになったのがその辺だけど。
Windows対抗馬とかいってLindowsとか出てきたのもその辺か。
Re:たしかにLinux熱は冷めているのかも (スコア:1)
自分も商用unixの代わりに印象を持っています。
当時windowsマシンとしては非力になったPCで使いだしたのが最初でした。
その頃はunixがまだ高価でnewsとかLunaとかが、まだまだ現役でした。
自分も「なんでBSDじゃないの?」って言われました。
ちょうど「Linuxを256倍使うための本」を読んでいて、Linuxを使わないと駄目だ的に洗脳されました(笑)
LinuxがOSのデファクトになった理由はBSD系の裁判もあるけど、デバイスの対応がBSDより早かったっていうのもあるかも。
Re: (スコア:0)
サーバーなどでLinuxを使っている人は今でもワクワクすることもあるんでしょうけど。
ホビーで使う人向けにはもうネタがなくなった感がありますね。
いつまでたってもDVDの再生画質は上がらない。
WineでWindowsのアプリが動くと言っても、使いたいアプリは実用にはたえず。
さんざんこれらで特集を組んで来たLinux系の雑誌も、もうさすがに限界がきたんでしょうね。
何やら工夫してやるとDVDの画質上げたりWineのサポートアプリを増やしたりできるようですが、
私にはもうそれらに挑戦する若い頃のような情熱はなくなってしまいました。
今の若い世代のLinuxホビーユーザーは今でも燃えているんだろうか。
#AndroidはLinuxだ!大流行りだぜって言うのはなしの方向で...
Re: (スコア:0)
今の若い人にとっては、自分より上の世代の人たちが昔若い頃に熱中したネタなんて、
べつにどうでもいいのだと思います。
それは自分自身の若い頃を思い出せば、まさしくそのとおりだったわけで。
だから、今の若い人がLinuxに熱中するなんてことは、あまりないのではないかと思います。
> いつまでたってもDVDの再生画質は上がらない。
> WineでWindowsのアプリが動くと言っても、使いたいアプリは実用にはたえず。
単に使いたいだけの人にとってはWindowsやMacintoshのほうが圧倒的にいいし。
それは昔からそのとおりで、むしろ「できない」ことに魅力を感じる(それができるよ
5% (スコア:0)
>「Linuxは5%程度のシェアしかないのに成功したというのはおかしい」
お前は何を言っているんだ(AA略)
正直Linuxは好きではないが、現実問題として色々な分野で実用品として必要十分な成果を上げているという事実は否定しない。
原文を読もう (スコア:4, 参考になる)
原文読めば
- 成功したというのは認めている
- 普通の人が使うPCではシェア5%、大きな成功とは思っていない
- 「成功したというのはおかしい」とは言っていない
ことがわかります。
Andrew Tanenbaum : No, Linux "succeeded" because BSD was frozen out of the market by AT&T at a crucial time. That's just dumb luck. Also, success is relative. I run a political website that ordinary people read. On that site statistics show that about 5% is Linux, 30% is Macintosh (which is BSD inside) and the rest is Windows. These are ordinary people, not computer geeks. I don't think of 5% as that big a success story.
Linuxが"成功"(注:原文のダブルクォートは本人の言葉ではない)したのは・・・(略・・・ただ幸運だっただけだ。また成功とは相対的なものだ。私は普通の人が読む政治のウェブサイトを一つ運営しているが、そのサイトの統計によるとLinuxは5%, 30%はMac(中身はBSD), 残りはWindowsだ。これらはコンピューターギークでなく普通の人だ。5%というのが大きな成功だとは私は思わない。
Re: (スコア:0, すばらしい洞察)
そもそもmicrokernelを実用性のない机上の空論と攻撃したLinusの発言を提示され、
そのLinusのmicrokernel批判はLinuxの成功により裏付けられたのではないかと言われての返答であって、
いわば喧嘩を売られた側であるTanenbaumの返答が何で
相変わらずLinuxに関しては攻撃的な物言いで、「Linuxは5%程度のシェアしかないのに成功したというのはおかしい」などとこき下ろしている。
ということになるのか。
Re: (スコア:0)
正体を隠して運営しているならともかく、「あのタネンバウム教授が運営している」と知られているサイトの利用者は普通でない人寄りに傾くと思うけどなぁ。
Re:原文を読もう (スコア:1)
Re:原文を読もう (スコア:1)
上手いこと言ったつもりだろうが,全然反論になってない.
政治のWebサイトを読みに来る人はコンピューターに詳しい人ばかりではないだろう.
その来訪者のうち5%がLinuxとすれば,コンピューターに詳しくない人がLinuxを「パソコン」
として使っている,という事例はまれである.
その事実から,Linuxは個人向け情報処理機器としてはほとんど使われていない,と
言えるので,"成功"とは対象を限定した相対的なものだ,と元記事は言っている.
これに賛成するかどうかは別にして,これくらい読み取れないなら回線切って寝た方が
いいよ.
Re:原文を読もう (スコア:1)
デスクトップ向けとしては全然成功してませんからね
日本でも自治体で導入してる例とかはありますが
なかなか広がらないのが実情で
本気でやるなら商魂むき出しで
流通なり小売なりに働きかけないと難しいんじゃないですか
RH あたりが腰入れてやったらどうなるのかなぁ
Re: (スコア:0)
なぜかRH→レンホーに脳内変換された orz
Re: (スコア:0)
今の時点でAndroidがiPhoneに対して「大きな成功をおさめた」と
言い切れないのは明白だからね。
Re: (スコア:0)
Linuxが成功したからこの爺もこうやって注目されるわけで、Linuxが無名ならこの爺もただの無名な偏屈学者にすぎなかっただろうと。言ってみればLinux芸人
Re:5% (スコア:2, 参考になる)
Linuxの出る前、本格的にPC上でUnixモドキが動く、ということで、Minixは一時期大変注目されていました。
大手BBSで参加者を募って、郵政省メールで「テープ回覧」とか、「フロッピー回覧」なんてなことをやっていた時代です。
# Minix386とかのテープ回覧、参加したっけなぁ・・・
Linuxが出なければ、ホビー用としてはそこそこ成功していたと思います。
商用として成功していたかは分かりませんけど。
だから、タネンバウム教授も、そこそこ注目されてたんじゃないかな?
Re: (スコア:0)
あとからでてきたLinuxに追い抜かれたのは、どのへんに理由があるのでしょうか?
Re:5% (スコア:2)
GNUのブツをあれやこれや使えるようにする事に注力してて「とりあえず使える」状態になるのが早かったから。
中身見ればわかると思うが今でも「とりあえず使える」だけどなw
ある意味モノリシックカーネルの宿痾みたいなもんかもしれん。
ま、「とりあえず使える」ってのがマーケティング的には大事ってのはマイクロソフトがガッツリと証明してるわけで。
Re: (スコア:0)
Linuxとの関係 --- Minix - Wikipedia [wikipedia.org]
Re:5% (スコア:2)
そういや夜郎自大って言葉があったな。
Re:5% (スコア:2)
Re: (スコア:0)
>そういや夜郎自大って言葉があったな。
さて、わたしはこの言葉を誰にたいして述べたと思いますか?
/.J 掲示板。
Re:5% (スコア:2)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
どっちかってと当時まだ無名学生だったLinusがOSの権威であるタネンバウムに喧嘩を売った、というニュースだったんだが、覚えてない?
Re:5% (スコア:1)
>無名学生だったLinusがOSの権威であるタネンバウム
ここまでいいとして、
>タネンバウムに喧嘩を売った
は、逆です。
「そろそろ、一言いっとくか」とタネンバウム先生がnetnewsに爆弾投下して、議論といか喧嘩というかフレームというかが開始しました。
それにしても、元コメのタネンバウム先生を無名の学者というのは、自らの無知をさらけ出しているだけのような…
Re:5% (スコア:3, 参考になる)
L「Minixを実用に耐えるものにしてよ。
T「機能追加はしない。
L「じゃあ自分で作る。
[ここから有名な論争]
T「モノリシックカーネル(笑)
L「マイクロカーネル(笑) 机上の空論(笑)
って流れだよね。
Re: (スコア:0)
Perl界でのらくだ本、JS界のサイ本
ぐらいの定番書籍なんで、大学の教科書として
著書に触れた方も多いと思うんですけどね
Re: (スコア:0)
タネンバウムせんせーに今更何て野暮な突っ込みを・・・
そういえば… (スコア:0)
マイクロカーネル設計だったHurdって最近聞かないけどどうなっちゃったの?
Re:そういえば… (スコア:1)
Re: (スコア:0)
それは触れちゃ行けないんだ…。
実用的なMINIX (スコア:0)
になるのはいつですか?
Re: (スコア:0)
Minixはもともと教育目的のOSだし、実用を目指してない。
Re:実用的なMINIX (スコア:1)
Minix3になって、組み込み用途も狙っております。
Re: (スコア:0)
Re:実用的なMINIX (スコア:2)
教育用言語ならPascalはいろいろフォークしたけどそれなりに普及したと言えるのではないですかね
結局、ライブラリとかの足回りとか環境に対するコードの可搬性とかその言語で書かれた有名な代表的コードはあるのかと云うのが決め手なのかなと
Linux vs MINIX (スコア:0)
スマートフォンでは、Androidは、Linuxベースだし、iPhoneはMachベース(だよね?)。よく考えると、Linusとこの爺さんの一騎打ちにも見えなくはないわけで、そう考えると面白い状況ではありますね。
とはいえ、もはや、OSもその設計うんぬんよりも、上に載っているフレームワークが重要ともいえる状況なので、あまり、マイクロカーネルなのかモノリシックなのかはどうでも良い部分でもあるかも知れません。特にユーザーやアプリのプログラマにとっては。
Re: (スコア:0)
RISC vs CISCぐらいどうでもよくなってるんじゃないですかね。
「いいとこどりしたほうが勝つわ」というところ。
Re: (スコア:0, 興味深い)
さすがに目に余る嘘なので書いておく。
> 「個人用コンピュータなどあり得ない」(ケン・オルセン、DEC創業者)
Ken Olsenが言ったのは、"There is no reason for any individual to have a computer in his home." で、
その前後の文脈を見ると "a computer in his home" はSFに出てくるような、証明のオンオフから温度管理、
食事の準備までしてくれる様な機械を指している。それらは今のところ普及する気配もないし、予言は当たっている
としか言えない。
なお、Ken Olsenは当時からいわゆるパソコンの普及