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国立大学には特許のための組織(弁理士的な技能を持ったスタッフ)も,予算もありませんでした. なので,以下の3つのどれかです.
ちなみに,教員が自腹で特許を取った場合,いろいろな書類書きや対特許庁の事務作業を弁理士に任せると,特許成立までに..30~50万円ポケットマネーが出ていきます. その後,特許を維持するためには何年かに1回特許庁に金を払わないといけません.また,特許がすぐ金を生むわけではなく,「この特許製品化しませんか」と企業に売り込んで回るか「俺の特許使ってるだろ.金払え」と交渉(訴訟)するか,など手間暇かけないと1銭も実入りはありません.そもそもそんことしてる暇などあるわけもなく.
今のような制度に替わる前に,僕も1つだけ特許が成立するまで何段階か弁理士に金を払いましたが,「もう二度とやるもんか」という気分です. 『これはらは研究実績として特許数も重視するので取りなさい』という指示にうまうま載せられた私がバカでした. 実質的には論文も特許も,同じ利点(「研究成果一覧」に書くことが1行増える)しかないのに,論文は研究費で掲載費を支出可能,特許は完全自腹では特許は割に合わないです. あと,論文は投稿してして掲載決定までにせいぜい半年か1年ですが,特許は何年もかかるのでやる気が起きない.前の職場で自腹で申請した特許が,転職して3年たった今年になってやっと成立したくらいですから.
なので各大学でTLOが出来て,教員の研究成果が大学の特許として召し上げられるようになってもそれほどの反発はおきなかった. ただ,「特許を成立させるために,研究を勝手に公表しちゃダメ」とか「外部の人が来る中間発表会では,秘密を守る署名を来場者にして貰え」とかいう面倒ごとが増えたのが嫌だけど.
ってのは 5%「も」,大学名義の特許があるというのが驚き. どうやって特許を取る費用を予算化したんだろう?
確か以前も,書類1枚で個人が特許化することを許してくれてたのは校費での研究成果. 科研費などの,「これこれの研究をするのでそのための予算をください」といって,特定目的の研究補助をもらった研究の成果は,個人には渡してくれない決まりだった.そういうのが5%あったってことかなぁ?
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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア
犯罪 (スコア:0, 余計なもの)
特許を取るにも、その開発の期間の開発者の人件費(給与とか)と、開発の機材等の費用をどこが出しているか?ということが、その特許をどこに帰属させるか?という基準になる必要があるとすれば、大学の先生が大学の研究で得た成果は、当然のことながら大学に帰属していないといけません。今まではそこのところが曖昧なままだった。
ましてや、独立行政法人となった旧国立大学では、国民のなけなしのサイフからひっぺがした国税が投入され、センセイ方はそのお金で毎日、オマンマを食んでいて開発・研究をしていたのだから、それを私物化するのは、犯罪に近い。社会的な地位、名声などを多くの論文で証明している「先生」が、こういうことに鈍感であった、ということは、日本のアカデミズムにいる人間の程度が知れます。
それが2004年まで野放しにされてきた、ということ自身が、納税者としては信じられません。
百歩譲って、それが大学の先生自身の研究成果であって、人件費もなにもお国からなにももらっていない完全な自費で、自分の持つ家屋田畑を売り払って、大学の勤務時間外に、大学の研究とはまるで関係ないところで出した成果であれば、そこで出した成果が「クズ」であっても、みんな納得するけどね。
アカデミズムは人もクズだが、成果もクズ。そう言われないようにしていただければ、と思いますが。
Re:犯罪 (スコア:5, 興味深い)
言ってることはわりと正当なことですし.
ただ,一点言っておくとすれば,昔の特許で個人出願が多いというのは,今までがあいまいだった
からではなく,むしろ以下の理由のように積極的に個人帰属にされていた事によります.
・文部省により特許は原則個人に帰属と定められた.これは学術審議会において「教官の職務とは
学生の指導および研究であり,発明は職務の一部ではない」とされたことに基づきます.
(つまり,研究費などで支払われているものは学生の教育と,研究を行いそれを世界に広く公表
することで人類の知を広げるためであり,それを満たすことが職務)
・このため,大学機関等には特許申請/維持の予算はありません.そのため機関が出願することは
(教官本人が望んだとしても)困難です.
で,これが何をもたらしたかというと,出願しようと思えば教官個人が費用を負担せねばならず,
さらにいろいろ面倒だから特許なんて出さなくていいんじゃね?という傾向です.
この後アメリカでの学->産での知財移転の成功を見た文部省(文科省になってからでしたっけ?)は
方針を転換,知財は原則機関側に属することとし(利益の分配比率等は各機関の裁量による),その
かわりに出願費用等は機関がかなり持つということになりました.
そして文科省は特許重視の姿勢を打ち出し,「特許もいろんな審査で成果に含めるよ」と言い出して,
特許出願を推奨したわけです.
これにより出願を全面的にサポートし,大学発の技術で産業界を活性化,利益をもたらそうとしました.
……が,その結果が現在の使えない特許の膨大な数の出願です.
おかげでまあ無駄に税金を使っているわけでどうしたもんだか.(最近は文科省も「無駄に出願
するな」という方に方針転換しています)
個人的な見解ですが,正直大学教員の出す特許って使い道が無かったり使い勝手の悪いものが多い
(実際利用され利益を生んでいる特許の比率が恐ろしく低い)んで,統計的には出すだけ無駄という
気がしなくもありません(いくつか有益なものもあるが,大部分は出願料/維持費の無駄遣い).
いっそのこと大学なんて特許無しでもいいでは……(極論ですが)
Re:犯罪 (スコア:4, 参考になる)
国立大学には特許のための組織(弁理士的な技能を持ったスタッフ)も,予算もありませんでした. なので,以下の3つのどれかです.
ほとんどの研究者は特許を取らずに論文経由で公知の技術としていたわけで,自分の研究を特許化して私腹を肥やしていた教員なんてごく少しです.すくなくとも僕の知っている範囲では一人もいなかった.
ちなみに,教員が自腹で特許を取った場合,いろいろな書類書きや対特許庁の事務作業を弁理士に任せると,特許成立までに..30~50万円ポケットマネーが出ていきます. その後,特許を維持するためには何年かに1回特許庁に金を払わないといけません.また,特許がすぐ金を生むわけではなく,「この特許製品化しませんか」と企業に売り込んで回るか「俺の特許使ってるだろ.金払え」と交渉(訴訟)するか,など手間暇かけないと1銭も実入りはありません.そもそもそんことしてる暇などあるわけもなく.
今のような制度に替わる前に,僕も1つだけ特許が成立するまで何段階か弁理士に金を払いましたが,「もう二度とやるもんか」という気分です. 『これはらは研究実績として特許数も重視するので取りなさい』という指示にうまうま載せられた私がバカでした.
実質的には論文も特許も,同じ利点(「研究成果一覧」に書くことが1行増える)しかないのに,論文は研究費で掲載費を支出可能,特許は完全自腹では特許は割に合わないです. あと,論文は投稿してして掲載決定までにせいぜい半年か1年ですが,特許は何年もかかるのでやる気が起きない.前の職場で自腹で申請した特許が,転職して3年たった今年になってやっと成立したくらいですから.
なので各大学でTLOが出来て,教員の研究成果が大学の特許として召し上げられるようになってもそれほどの反発はおきなかった. ただ,「特許を成立させるために,研究を勝手に公表しちゃダメ」とか「外部の人が来る中間発表会では,秘密を守る署名を来場者にして貰え」とかいう面倒ごとが増えたのが嫌だけど.
Re:犯罪 (スコア:1)
ってのは 5%「も」,大学名義の特許があるというのが驚き. どうやって特許を取る費用を予算化したんだろう?
確か以前も,書類1枚で個人が特許化することを許してくれてたのは校費での研究成果. 科研費などの,「これこれの研究をするのでそのための予算をください」といって,特定目的の研究補助をもらった研究の成果は,個人には渡してくれない決まりだった.そういうのが5%あったってことかなぁ?