東大、博士課程の授業料を実質ゼロ化 52
ストーリー by mhatta
もうあと数年早ければ… 部門より
もうあと数年早ければ… 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
日経の報道によれば、 東京大学が来年度から、大学院博士課程に在籍する学生の授業料負担を実質ゼロにする方針を固めたそうだ。 在籍する約6000人のうち約3500人はすでに各種の奨学金や研究奨励金を得ており、残る約2500人のうち休学者を除いた 1700人に対して、1人当たり約58万円を支給して授業料を賄うということらしい。 博士課程在籍中の生活についてはこれでラクになるのだろう。ただ、やはり問題は修了後の進路なのでは ないかと思ったり。
アメリカと日本 (スコア:5, 参考になる)
Research Assistantとして名目上週20時間働き(実態は全く働いていない)、生活費と授業料をもらえる事になっているのでお金は全く掛かりません。
これは博士課程だけでなく修士課程でも同じで、しかもアメリカは博士号の方が明らかに価値が上なのです。
就職も博士号の方が有利で給料も高いので、そりゃアメリカの方が魅力的に見えても仕方ありませんよね。
東大とはいえ、この程度で留学希望者を引き止められるとは思えませんが・・・
Re:アメリカと日本 (スコア:2)
アメリカの博士課程=日本の修士+博士課程、修士課程はどちらかというと
仕事をしている・していた人が何か勉強したくなったときに行くところ、
という感じで、修士過程の学生はあまり研究者とはみなされません。
# それとも今いるところが三流だからなのか…
Re:アメリカと日本 (スコア:1)
博士課程の話だったので修士=博士課程の最初の2年間、というつもりで書きました。
修士課程だけの方はあまり知らないので現状どうなのかはわかりません。
少なくとも博士課程の修士時代は給料が保障されていますね。
Re:アメリカと日本 (スコア:1, 参考になる)
最初の2年間が修士時代、後期の3年間が博士時代と明確に分けられているのではなく、5年+αで1つの課程という感じです。
Pre-limというテストをパスすると、身分がPh.D studentからPh.D candidateに変わるだけです。
もちろん、Ph.D candidateは授業を履修する必要がない(≒聴講すればいいので、GPAに影響がでない)など、多少の違いはあります。
これらは学校や学部によって違ってきます。
また、他の大学で修士号を取得していてもそれ自体はほとんど考慮されません。
3年+αで博士号を取得できるなどということはなく、普通に修士号無しで入ってきた人達と同じだけ時間かかります。
工学系では短かくなるという話も聞きますが、私は理学系に在籍しているので詳しくは知りません。
一流の学部では、最初から修士号を最終目的(terminal master's)の人達を受け入れないことが多いです。
もし修士学生を受け入れている学部でも、研究をするより授業の履修に重点がおかれているために、
Research Assistantになるのは難しいので学費は自分で払う必要があります。
大規模州立大学の場合には、Ph.D. studentの数が十分ではなく、修士学生でもTeaching Assistantになれる可能性があります。
そうすれば、学費は免除されるし生活費も補助されます。
大規模州立大の学部では、金銭的に5年間補助出来る以上のPh.D studentを入学させて(Teaching Assistantが必要だから)、
最初の1-2年でふるいにかけ上位の学生以外には修士号をあげて追い出すという話も聞きます。
博士学生に対する金銭的な保証に関してですが、5年間は保証されていると思います。
ただし、それ以降の保証は学部によって違います。
場所によって、学士号入学者には6年、修士号入学者には5年の保証をしているところもあります。
Research AssistantshipとTeaching Assistantshipの2種類があり、指導教授が貧乏な場合には
Teaching Assistantをすることが多いです。(生物学とか生物学とか生物学とか)
それ以降は、学部によるでしょう。なかには9年間在籍した人も。
また、学生は自分でグラントを取ってくることを期待されています。
もしとれた際には、教授の研究から独立した研究をする事が可能になりますし、
グラントによっては学部から以上の生活費の支給があるものもあります。
ただし、国籍条項のあるグラントが多いですが。(NSFとか)
Re:アメリカと日本 (スコア:0)
ふーん、アメリカのほうがいいように見えるけど、でも日本人じゃアメリカの大学に行きたがる人って少ないですよね。そんだけのメリットなんて目じゃないほどの「いいこと」があるんでしょうね、東大の博士課程には。
Re:アメリカと日本 (スコア:3, 興味深い)
まぁ根本的に語学という障壁があるので,研究の能力があっても,入学できるかどうかは別問題だったりするわけで…という話はさておき.
博士課程の研究の実態はケース・バイ・ケースというか,所属する大学や上の先生によって千差万別なので,一概に「日本は~」とか言えないとは思いますが,少なくとも今までの制度は「博士課程の学生」=「学費を払っているお客さん」だったわけです.なので,「基本的に先生の指導に従ってがんばれば学位が取れる」という修士課程の延長上の雰囲気がありましたし,なんとなく「博士課程に引き受けた学生に学位を取らせるのは先生の責務」みたいな文化もありました.
先に書かれていたようなアメリカの大学の場合,博士課程に入っても1年も経たずにクビを宣告されるケース(給与が出なくなるだけでなく,日本でいう「指導教官」も失うことになるので,その時点で退学を宣告されることとほぼ同等)があります.アメリカは,学位取得も,給与をもらうのも,「それを勝ち取れるかどうかは本人次第」という自己責任のような文化になっていますから,やっぱりリスクも高いですよね.
それと,日本の学部や修士なんかでは,アメリカの博士課程なんていう可能性を(現実的に)認識できるレベルでやっている研究室自体が少ないような気がします.だから,そういう可能性に気づくのって,すでに博士課程に入った後じゃないですかね.その結果,「学位を取ったらアメリカの大学でPDやってみたい」とか思ってる人は多いですよね.
Re:アメリカと日本 (スコア:0)
海外まで選択肢に入れないと行き先が足りないんですもの
それなら英語圏はだいぶやりやすい行き先
Re:アメリカと日本 (スコア:0)
研究の業界によって,かなり違うんでしょうね…ご愁傷様です.
うちの業界は(当然,普通に研究成果を出しているという前提での話ですが)本人が「PDで構わない」と言うのであれば,国内でも普通に食い扶持は見つかると思いますよ.ただ,それでも「できれば海外(=大抵は米国の著名な先生のところを意図している)のPDをやりたい」って言ってる人は,わりとよく見かけます.実際にアクションを起こしてる人がどの程度いるかは知りませんが.
ただし,うちの業界もテニアの枠は相変わらず全然足りないので,いわゆる「PD地獄」は普通にあります.うちの職場も実質的にPDしか採用枠が無いような状態なので,欲しい人材がいても,PDという時点で「だったらいいです」と断られるケースが多々あるらしいです.偉い人じゃないので,あまり詳しくは知りませんが.
Re:アメリカと日本 (スコア:0)
それだけの向上心と野心と素質があり、留学してでも自分の可能性を
最大限に伸ばし、世界のトップレベルを目指したいと思っている人は
少ないということです。
Re:アメリカと日本 (スコア:0, フレームのもと)
Re:アメリカと日本 (スコア:0)
#別に引き留める必要はないと思いますけど。
Re:アメリカと日本 (スコア:1)
一時期の「猫も杓子もMBA」ブームを思い返すと、企業側次第って気もします。
Re:アメリカと日本 (スコア:0)
そういう人相手に「授業料実質ゼロ化」はお金がもったいない話ですね。
Re:アメリカと日本 (スコア:0)
(分野トップ大のD論を読んでの感想。出来るやつは一部だけで、それも留学生か移民ぽい名前のが多いね。)
Re:アメリカと日本 (スコア:1, すばらしい洞察)
「能力ある移民」こそが真のアメリカ国民です。
2代目3代目となるにつれて、真のアメリカ国民から離れていくのです。
Re:アメリカと日本 (スコア:0)
やっぱり「働いている」という名目は大事なのでしょうか.
誰の目から見ても明らかな嘘(実労働がない)なんだから,
それを正当とする制度か何かを作っておかないと,槍玉に
挙げられたときに大量の院生が困ることになりそうな気がします.
/*
* 実際学校からお金もらってて,これがなくなったらちょっと困る…
*/
Re:アメリカと日本 (スコア:2, 参考になる)
いえ、ある意味働いているのは事実です。
指導教官の下であるテーマについて研究し、その研究を労働と見なしているのです。
そしてその資金源は教授が方々から取得したグラントで賄っているので、誰の懐も痛んでいないのです。
ですから研究テーマがある程度制限されることが無いとは言えませんが、まあそれは入る研究室の問題です。
少なくとも"働いている"という実感は誰も持っていないため、名目上と書きました。
Re:アメリカと日本 (スコア:0)
休学が多いと思う (スコア:5, 興味深い)
休学が800ということは、
>在籍する約6000人
の一割以上が休学?...博士課程ってそんなに休学率が高いのものなのかな?
>1人当たり約58万円を支給して授業料を賄うということらしい。
支給が始まったら復学するのも結構いるのか、どうなんでしょう。
Re:休学が多いと思う (スコア:3, 興味深い)
心(や体)が壊れて休学ってのが、少なからず・・・
#中の人なので絶対AC。
Re:休学が多いと思う (スコア:2, 興味深い)
つまり、3年間過ごしたのち修了できない場合は一度休学し、博士論文提出の要件を満たした際に復帰して博士論文を提出していました。
中には休学中に某独立行政法人の研究所に引っこ抜かれてそのまま大学を辞めたという先輩もいますが…
Re:休学が多いと思う (スコア:0)
さらに (スコア:3, おもしろおかしい)
・学割(注: 社会人入学は授業料据置き)
・家族割
・最初から授業料半額
・出席しなかった分の授業料繰り越し
などが予定されています。
(以下、極小の字で)
※4年以内に退学した場合は違約金として(略)
※授業料繰り越しの上限は(略)
(そのあと100行程度続く)
Re:さらに (スコア:1, おもしろおかしい)
も、付け加えておいてください
Re:さらに (スコア:0)
授業料半額だったか、設備使用料のみだったか。
# 適用外の田舎キャンパス出身なのでAC
Re:さらに (スコア:1, 興味深い)
付属校はどうだか知りませんが、某先生の息子は学部~院をずっと学費免除で過ごしてました。そのまま大学に就職しちゃったし。なんだかなぁ(自腹切ってる一般学生の立場は?)という気がします。
# 中の人に近いのでAC
Re:さらに (スコア:0)
一般学生の成績優秀者には授業料免除とかないの?
Re:さらに (スコア:1, 参考になる)
東大に限らず・・・ (スコア:2, 興味深い)
各種奨学金,RA(*1)などで実質無料,それどこか若干プラスになる場合も多いのでは?
ま,そこまでしないと人が集まらないっていう話もありますが.
(*1 リサーチアシスタント.最近だとグローバルCOE関連とかも結構貰えたり…)
人は見た目が120%
Re:東大に限らず・・・ (スコア:3, 参考になる)
これに、研究室に持ち込まれる企業からのご相談のお手伝いで頂く分を加えると
約14万/月の収入になっています。
これだけで授業料+α(下宿代・書籍代)程度にはなります。
アメリカの大学とは違い、RAとしての活動の成果報告を半年に1回求められます。
審査の結果不適格と判断されると、権利剥奪になるケースもあるようなので気が抜けません。
もっとも、RAとしての活動は研究テーマと近い内容(研究成果の製品化など)なので苦痛にはなりません。
でもRA制度を利用している学生は大学院生の3割程度で、
制度そのものの存在を知らない学生もいるようです。
もしかしたら、他大学でも同じようなケースがあるかもしれませんね。
// 私の場合、教授から「RAあるから進学しないか」と誘われて初めて制度の存在を知りました。
Re:東大に限らず・・・ (スコア:0)
今回のは全員を救おうって話でしょ?格が違う。
焼け石に水 (スコア:1, すばらしい洞察)
生活費の問題もありますね。
奨学金と言ってもその本質は借金だし。
Re:焼け石に水 (スコア:1)
今回の東大の措置も分かりやすいシステムにしてもらえれば人材流出の歯止めに十分な効果を出すのではないかと。
体は壊すためにあり,
規則は破るためにある.
Re:焼け石に水 (スコア:1, 参考になる)
最初っから返済なしだったよ
今もやってるかは知らんが
Re:焼け石に水 (スコア:0)
結構な数の人が支払免除されていると思います。
Re:焼け石に水 (スコア:1)
民間企業は×、卒業(または退学)後2年以内に所定の教育職に就いた場合に限る、など条件は厳しくなる一方。
東大の博士課程だと、ほとんどが免除職に就けてたりするのかなぁ?
Re:焼け石に水 (スコア:1, 参考になる)
Re:焼け石に水 (スコア:0)
つーか、それくらい自分で何とかしろ。
# 面倒見て欲しいなら、それに値する対価を出そうぜ
# 最低限は国の枠組みで何とかしてもらってるんだから
Re:焼け石に水 (スコア:0)
Re:焼け石に水 (スコア:0)
東大の博士課程が担保になるかどうかですね
東大だけなの? (スコア:1, 参考になる)
ということで賛成です。
私学やヲタク先端大学では、高額な学費を支払い続ける従順な奴隷に対して、つい同情して甘くなる。
Re:東大だけなの? (スコア:1, 興味深い)
国が補助するにしても、ダメな学生は即切り捨てられる体制が必要だと思います。
Re:東大だけなの? (スコア:0)
財源の話には良いアイディアがあるのですが、今回はさておきます。
> 国が補助するにしても、ダメな学生は即切り捨てられる体制が必要だと思います。
そもそもダメかそうでないかを適切に判断出来ないんだから無理でしょう。本来は切り捨てられるべき猪が偉くなってしまうのが日本社会の実情でございます。猪博士が巨艦巨砲主義でスパコン大和や次世代ネットワーク大和を建造しております。
基本的には日本国民1億2千万総学者化政策が正しい答えになるでしょう。大学と学問の大衆化ということも、国民の総社会知能の向上と捉えれば納得がいくのではないでしょうか。
社会の中で「リアル天才」と「リアル知的成果」の二つが健全に守られることが重要だと思います。知的身分制度や権威の保護よりも重要なことと思います。
Re:東大だけなの? (スコア:0)
科学を持ち上げるのは一向にかまわないけど、どうして余所を貶めることをいうかな?工学って「努力が成果に結びつくと限る学問」なんですか?
Re:東大だけなの? (スコア:0)
余所を貶めているのではなく、価値観の再編を唱えているのですがね。社会の構造改革を行うということは価値観の再編を促すということでしょう。学府の体系を抜本的に改革することが最重要課題でしょうよ、きっと。
技能の探求=工学は、費やした時間や努力が成果に結びつく知的活動と捉えて良いと思う。
中の人ですが (スコア:1, すばらしい洞察)
そのあたりは最近大学側も必死にアピールをしています。
むしろネックになるのは自分のプータロー感ではないかと。
大抵の研究はニッチすぎて自己満足の域を出ない、
さらにRAと称して研究室の雑用をさせられる、
たとえ運良く助教になっても待つのはまた雑用ばかりとくれば、
D進はなかなか考えられません。
Mで就職すれば年60万どころか年300万+最低数年間の身分保障はもらえるわけで、
学費出してやるから大学に残れとはなにをか況や、といったところです。
そういう環境にはない幸せ者orそういう特異な環境に適応できてしまう人こそが
Dに進むのだと思っています。
※中の人&私感バリバリなので絶対臆病者で。
逆だ>部門名 (スコア:0)
東大の場合 (スコア:0)
雑用を減らせ (スコア:0)
授業料を払ってもいいから
技術補佐員を雇ってほしかったと思います。
学生に NIS や sendmail.cf を丸投げなんて
まったくどうかしてる...
Re:雑用を減らせ (スコア:0)
ただ、直接その系統の仕事には就いていないものの、
それで学んだ思考方法とかはバックグラウンドとして
生きてるなあ,と感じる今日この頃。
#問題の切分けとか、全体を見渡しての塩梅の感覚とか、
#英語ドキュメントのとりあえず斜め読みとか(笑)