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15702 story

『水からの伝言』、現在も授業中 283

ストーリー by Acanthopanax
まだやってたのか 部門より

Anonymous Coward曰く、

『水からの伝言』という本があります。水に「ありがとう」と声をかけながら冷やすときれいな結晶が、「ばかやろう」と言いながらだと汚い結晶ができるというファンタジックな本です。数年前からこれを元ネタに道徳の授業などが行われ、批判を浴びました。今年2月にも、ニセ科学が学校に入り込む例として毎日新聞の記事になったりしました。ですが 前野[いろもの物理学者]昌弘のページ:日記兼更新記録によるといまだ授業で使われている模様です。

このようなファンタジーなものを科学への誤解を生みかねない形で授業に使うことは疑問です。教育現場が世間離れしているのかもしれませんが、校内の理科の先生などは無力なのでしょうか? (編注: コメントで指摘されているが、小学校は基本的には教科担任制ではない。)

『水からの伝言』については、田崎晴明氏が『「水からの伝言」を信じないでください』というウェブページを公開しているほか、菊池誠氏も一連のブログ記事にて批判している。また、左巻健男氏は著書『水はなんにも知らないよ』の中で問題点を指摘している。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • じゃっかん話がずれるのですが、内田樹の「下流指向」という示唆に富む本を最近読みました。
    この本の中で、小学校に上がってくる子供達はすでに「消費者」として自分を確立してしまっている、
    という指摘があります。だから学問が役に立つと思えば「わざわざ勉強してやる」し、学問の意義を
    教師が説明できなければ、納得できないのに勉強するなんて消費者の沽券にかかわる、という説です。

    このような心得違いが、小学生に限らず、くだんの道徳教師にも蔓延している、という見方は
    できないでしょうか。まるでバイヤーのように「科学」と「オカルト」を比較して、
    子供達がより少ない努力でより大きな成果 (丁寧な言葉遣いなど) を得られる方を選んで
    仕入れてくる、という考え方です。その考え方で正しい、と思っているからこそ、
    前野氏の指摘に対して道徳教師は腑抜けのような反応しかできなかった、ということではないでしょうか。
  • by baka_gahaku (4542) on 2007年06月19日 9時41分 (#1176234) 日記
    エセ科学だ、と言うのも充分問題なんだけども、この話を聞くたびに、とても気になる所がある。
    それは、「綺麗な結晶は良い結晶、汚い結晶は悪い結晶」と、決めつけているところ。

    これを教えている人は、「見た目が悪いと言うことは悪なのか?」と言う質問をされた時、どう答えるのだろうか。
  • 水が人間を裁けるなら (スコア:4, おもしろおかしい)

    by sakamoto (8009) on 2007年06月19日 12時45分 (#1176363) 日記
    もしも身内でそういう授業を受けたら「こんど、先生の授業を水に受けさせて、どんな結晶ができるか調べたい」と提案させることにしよう。
    --
    -- 哀れな日本人専用(sorry Japanese only) --
  • by Anonymous Coward on 2007年06月19日 7時46分 (#1176184)
    学童教育の責任者が、もろ「とんでも科学」信者っていうことが結構あるので まじ引きますorz
    ほら、何も知らない保護者であることを装って
     『水にも心があるの?』『波動って何ですか?』とか質問してみよう!!
    ...食いついてきますw さらに話が進むと『月の裏側には(ry』とかなりがちですが ^-^;

    しかし、こういう「とんでも科学」を信じている人たちをみると
    なんかコンプレックスの塊だし、妄信的で怖い感じがするのは なぜ??
  • by gendohki (16311) on 2007年06月19日 6時52分 (#1176172)
    何せなんでも擬人化する国ですから、
    水だの石だのに人格を求めてしまうので何かしら意志を伝えようとするんでしょうけど。
    サイコロ振る時に必死に祈ったり振り回したりするのも似たようなものだと思えるし、
    ジャンケンする前に手を組んだりするのも、マーフィーの法則なんかも近いもの……と思うんですが。

    で、なんで水だけこんなに食いつくんだろ?ってのが疑問ではありますけどね。
    --
    「なんとかインチキできんのか?」
    • by simon (1336) on 2007年06月19日 11時56分 (#1176331)
      「水からの伝言」関係ではいろいろ批判する本やHPなどがありますが、一番面白いと思ったのは
      アキバ系音楽ユニットMOSAIC.WAVが昨年12月に発売したシングルCD『ギリギリ科学少女ふぉるしぃ [www.sham.jp]』であります。

      「お気に入りのキャラのカップで飲んだら水がおいしかったので水にも萌えがわかります」
      「このたび私が開発した恋愛活性イオンで10人中9人が恋をしました(あとの40人は実験に不誠実なので除外しました!)」


       というようなたいへんシュートな歌詞に萌え電波系としか言いようのない歌声が加わるともうたいへん。

      「二日で合計30時間MOSAIC.WAVを聞かせ続けたら苦痛を訴え始めたのでAKIBA-POPは有害です!」

       としか言えないくらいの破壊力を持って聴く者の脳を犯し続けます。もうなにがなんだか。

       とはいえ、この曲がそこいらの凡百のただの萌え電波ソングと違うところは

      「数字と機械でそれっぽく着飾って理想と科学の境界線せいいっぱい侵犯しましょう」

      「『確からしい』って言うほかないのはわかってるけれど
       『愛の存在は実証済み』と言い切っちゃったほうが科学っぽいからみんな信じる」

      「あなたの望んだ結論のためならデータを選んで信憑性盛大に吹聴しましょう」

      「私の都合にぴったり そんな科学はないかしら?」

      「よくできた科学が魔法と区別がつかないせいでよくできてない科学も魔法と区別がつかない」


       といったような歌詞でもって何気に辛辣に世間の科学感を皮肉っているところです。
      (歌ってるみ~こ嬢の脳が溶けそうな甘い声についつい理性を押し流されて聞き逃してしまいそうになりますが)

       萌えというオブラートに包まれた、たいへん優れた科学リテラシー啓蒙ソングとして試聴を強く推奨するものであります。

      #曲中で何度もリフレインされる
      #「ふぉるしふぃえいぶる・ぱらのまふぇのみな」
      #という呪文がじつは"falsifiable para-normal phenomena"(反証可能な超常現象)
      #であり、そもそも反証可能とは科学哲学者カール・ポパーが提唱した科学と非科学を分別するための一概念でありポパーは
      (以下20行は省略されました。続きを読みたい方はwikipedia [wikipedia.org]でも読んでてください)

      この曲はMOSAIC.WAVの公式ページで一番だけは聞けます [www.sham.jp]。
      youtubeやニコニコ動画にはフルバージョンが上がってるかもしれませんが
      この二人、ほかにもなかなか面白い歌を作ってるのでできれば買ってやってください。

      オススメはコンピュータの人間に対する憧憬を歌ってる
      キミは何テラバイト? [www.sham.jp]」

      「恐る恐るスイッチ入れたら 無愛想な“OK”の2文字
      「konnnichiwa」って入力しても “Syntax Error”何それ? 読めない・・・」

      と歌う「電気の恋人 [www.sham.jp]」なんてのもなかなかイイです。作詞家の柏森、お前は俺か。

      「アニメを見てたら空前絶後の超展開!まん丸お目目で見てたんだ伝説誕生奇跡の瞬間」
      という誰にでもある体験を歌い上げる「Space!Wave!Akiba-Pop! [www.sham.jp]」
      なんてのもオススメ。

      宣伝ぽいけどIDで。
      親コメント
    • by yasuchiyo (11756) on 2007年06月19日 7時17分 (#1176178) 日記
      学校の道徳の授業で、
      「サイコロを振る時に、両手でしっかり振りながら祈ると、思い通りの目が出ます。」
      とか
      「ジャンケンをする前に、手を組んで中をのぞくと、必ず勝てる「手」が見えます。」
      とかやってりゃ、
      たぶん食いつかれてると思いますよ。
      親コメント
    •  ひと言で言うと「捏造」だからですね。あるある問題と同レベルです。
       個人的な推測ですが、かなりの確率で「著者は水に言葉を解する力あるとは信じていない」と思います。なぜかと言うと、信じていれば実験が成功しないからです。

       都合のよい実験結果を出すためには、原理を理解したうえで何かを操作する必要があります。例えば、都合の悪いデータは端折ったり、実験するときに細工をしたりといった作業が。本当に正しいと信じているのであれば、データの改ざんが必要だと思ったりはしませんし、恣意的によい結果が出るような操作方法がそもそもわかりません。したがって、本当に信じている人が実験すると(予想した結果が出ないという点で)失敗します。

       たまたま都合の良い偶然が起き続けた可能性もなくはないですが、著者の研究所で結晶を作成して撮影するサービスをやっていたりと、かなりの回数にわたって結晶を作成しているはずで、確率的にはサルにタイプライターを叩かせてシェークスピア戯曲が出来上がる域に近づいているはずです。

       したがって、水からの伝言系統の本は明確な悪意を持った詐欺である可能性が非常に高いわけです。

       学校教育に持ち込む時点で言語道断ですが、よりによって道徳の授業で詐欺の片棒を担いでるわけで、問題にならないほうがどうかしてます。
      --
      しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2007年06月19日 12時15分 (#1176342)
        >個人的な推測ですが、かなりの確率で「著者は水に言葉を解する力あるとは信じていない」と思います。なぜかと言うと、信じていれば実験が成功しないからです。

        いやいや、そうではありません。「著者に科学的精神が欠けてるから」で十分説明可能です。
        実際に実験をやっていると、試しにやってみた1st trialで、すごく面白い結果が得られるケースってのによく遭遇します。で、「これは面白い!」とそこから先の実験を進めたくなるんですが…、そこをぐっと我慢して、必ず再実験を行う必要がある(一つ先のステップの実験に対照で必ず混ぜるってのでも十分ですけど)。それで、程度の違いはあっても再現性のある現象だってことが判ったら、そこで初めて先の実験をやる意味が生まれるんですね。
        ところが十分な再現性がない場合、その原因がどこにあるのか、実験条件のわずかな変動によって変わっているものなのか、たまたま二回目の実験だけが例外なのか、あるいはそもそもその現象自体が幻想なのか、そういったことをきっちり見定める必要が出てくる。一般に「1st trialの面白い結果」というのは、とても魅力的なものなので、それが単なる無意味なものであった、ということを認めることは、しばしば抵抗がありますし、精神的に苦痛ですらあったりする。それでも、事実ならば事実と受け止める正直さ、自己批判の精神が科学者には必要なんですね。

        ところが、そういった科学的精神に欠けた人では、最初の結果が単なる幻想という事実を受け入れることができず、「自分に都合のいい結果」は事実として、疑うこともなく受け止めるのに、都合の悪い結果は「あの部分がおかしかったから、このデータはおかしい」と排除してしまう、あるいははなから目に留めることすらしない。この例で言うならば、「ありがとうを見せた水」にできたきれいな結晶はカウントするけど、汚い結晶は見逃してしまったり、あるいは、きたない結晶しかできなかった回は「これは実験ミスだ」と自分に言い聞かせて、データから排除してしまう、そういうことをしてしまいがちです。そこに必ずしも「悪意」が介在するわけではありませんが、悪意の有無に関わらず、「科学的精神」を持たない人のデータというのは信用することができないんですね。
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  • by yun (448) on 2007年06月19日 14時36分 (#1176437)
    水伝のロジックのまずいところは「水によい言葉をかけると綺麗な結晶が、わるい言葉をかけると汚い結晶が出来る」「だから」「よい言葉をつかいましょう」という「だから」の部分がぜんぜんつながってないところかなと思う。だって、それだったら「水によい言葉をかけると綺麗な結晶が、わるい言葉をかけると汚い結晶が出来る」「だから」「俺の嫌いなあいつには悪い言葉をかけて奴の体内の水に悪い影響を与えてやるぜ!」という結論だって全く同様に導き出せてしまう。

    人に悪い言葉を使うな、ってのは「人によい言葉をかけられると気分がよい、わるい言葉をかけられると気分がわるい」「だから」「お互いによい言葉を使うようにして、お互い気持ちよくいられるようにしましょう」っていう最終段が一番大事なわけで、そこをすっ飛ばしてる時点で道徳としても低級なんですよね。
  • もしかして (スコア:2, おもしろおかしい)

    by ryouki7000 (10944) <ryouki7000NO@SPAMgmail.com> on 2007年06月19日 18時14分 (#1176567) 日記
    こんな風に罵声を浴びせたから、日本の教育が[わるいけっしょう]になっちゃったのでは。
  • by Anonymous Coward on 2007年06月19日 7時03分 (#1176175)
    アレゲでもないしニュースでもない。もっとセンスオブワンダーな似非科学をタレこんで下さい。

    ついでに突っ込むと、理科の先生というのは小学校には特にいないのでは?
    > このようなファンタジーなものを科学への誤解を生みかねない形で授業に使うことは疑問です。
    むしろ道徳教育として間違っている、エセ成果主義的な授業に疑問を感じます。

    #田崎晴明氏のサイトを紹介しているのは編集者として素晴らしい仕事だと思います。
    #欲を言えば、もっとアレゲでニュースなタレを発掘してください。>Acanthopanax殿

    • by baka_gahaku (4542) on 2007年06月19日 10時17分 (#1176254) 日記
      似非科学を定期的に話題に出して、それっておかしいよね、って言うのは重要なことだと思ってます。

      で、今回、水からの伝言の話がぶり返してきたのは、タレコミにはありませんが、SAFETY JAPAN(日経BP) [nikkeibp.co.jp]の「水はなんにも知らないよ」の書評(6/15)が出たからじゃないかな。
      (こっちはニュース扱い 「水は人の思いに反応する」というニセ科学への反論 [nikkeibp.co.jp]6/18)
      書評なのかこれ? と思うけれども………

      蛇足
      私は、Acanthopanax様は、ことあるごとに似非科学関係のタレコミを採用していて、すごいなと思っております。
      今回も、痛いニュース [livedoor.jp]で取り上げられているのを見て、「/.jにストーリーたってるかも、編集者はAcanthopanax様」と思って見に来たら、まさにその通りで思わず笑いました。
      親コメント
  • by Takahiro_Chou (21972) on 2007年06月19日 7時39分 (#1176182) 日記
    校内の理科の先生などは無力なのでしょうか?

    タレコミ中のリンク先 [nifty.com]より

    今日は息子の小学校の授業参観でした。

    小学校の先生って、理科の先生,国語の先生etcの区別って有りましたっけ?

    小学生だったのが、20年以上前なので、今の小学校がどうなのか、良く知らないけど。

    • Re:理科の先生? (スコア:3, すばらしい洞察)

      by kakin (21576) on 2007年06月19日 8時30分 (#1176197)
      もし理科の授業も教えるのなら、なおのこと危機感を持つべきだよなぁ。
      テストで「水の性質を挙げよ」みたいな問題を出したとして、
      「きれいな言葉をかけたら結晶がきれいになる」みたいな回答されたらどうするつもりだろう。

      理科の実験は、やはりみんなできれいな言葉を掛け合いながらやるのだろうか……怖い。
      親コメント
      • Re:理科の先生? (スコア:5, おもしろおかしい)

        by QwertyZZZ (8195) on 2007年06月19日 9時34分 (#1176229) 日記
        >「きれいな言葉をかけたら結晶がきれいになる」みたいな回答されたらどうするつもりだろう。

        「んな訳ないだろ。ふざけるなら廊下に立ってろ。」

        って答えれば、世の中の理不尽さとか、TPOとかも教える事が出来ますよ。

        #別にどうでも良い話だと思う、ってよりも、道徳の授業内に科学的云々騒ぐなら、そっちのが問題だよなぁ。
        #単なる良くあるデッチアゲの訓話だもん。

        親コメント
      • Re:理科の先生? (スコア:2, おもしろおかしい)

        by Alef_F (27309) on 2007年06月19日 13時56分 (#1176409)
        >理科の実験は、やはりみんなできれいな言葉を掛け合いながらやるのだろうか……怖い。

        言葉の影響を排除しないと実験結果が安定しないので、黙りこくって行います。
        親コメント
    • 理科専科の先生 (スコア:3, 参考になる)

      by minato_nakazawa (18821) on 2007年06月19日 11時39分 (#1176323) ホームページ 日記
      子供が通っている小学校には理科専科の先生がいます。理科専科になると担任は外れて,高学年の理科を教えるようです。地域によって差はあるようですが,音楽専科に次いで理科専科は多いんではないでしょうか。
      もっとも,物理学会,応用物理学会,物理教育学会から中教審宛てに理科専科の教員を全ての小学校に配置する必要がある [nii.ac.jp]という提言が出ているところからすると,まだ配置率は低いのかもしれませんが。
      --
      Minato NAKAZAWA, Ph.D. Demographer, Human Ecologist
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Stableって古いって意味だっけ? -- Debian初級

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