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要は出版社がこれまで雑誌購読者から回収してきた費用をどこにつけようかという話。もちろん論文投稿者の負担もあるけど、それだけで全て賄えない部分もある。研究機関が雑誌購読料として年間いくら支出してるかご存知?オープンアクセスという「聞こえのよさ」の水面下での動きにも要注意。
Aが一個足りてないですよ
# There Ain't No Such Thing As A Free Lunch
いやまったく。もしこの流れが拡大していくと、論文誌の経営はどうなっちゃうんだろう。「ピアレビューなんていらない」という論もあるけど、やっぱり何らかの形で論文・研究の質を維持するためのレビューは必要だと思うんだよね。
ネット上でピアレビューして論文pdfの公開をすれば良いだけの話では?私の研究分野で一番権威のあるジャーナルはそういう構造になっていますし、私が知る限りでは上手く機能しています。
その場合は、レビュープロセスの運営や事務的経費は、学会持ち+ボランティア、という事になるでしょうか。そうなると、学会の年会費とか大学教員や研究員の研究時間減という形でコストの発生場所が移動するということか。うーむ、どっちがいいかは悩ましいけど、論文へのアクセスが簡単になる方がやっぱりいいかな。
なるほどなるほど、勉強になります。
情報科学関連でも小規模なところは投稿・査読・配布はネットで、というとこは結構あります。そこだけ見ればうまく行っているのですが、事務処理はやっぱり泣きどころです。教授の秘書どころか教授本人や、そこの大学院生などがボランティアとして駆り出される状況はいかにもまずい。人件費捻出の方法として素直な実装が、購読料という受益者負担方式なんですが…。
ゆくゆくは、大学がお金を拠出して一般への無料配布、ということになるのでしょうかね。
その、(ネタ元の奥村氏の言い方を借りると)
高価かつ入手困難な学術誌
という形態自体をやめてしまえ、ってことでは。従って
インターネットを使えばほとんど金をかけずに全世界に情報発信できる
ため、物理的なコストを発生しないので、雑誌購読者から回収する必要もないのでは。さらに言えば論文程度の画像と文章中心のコンテンツならば、今となっては配信が増えすぎると問題になるようなデータ量でもないので、特定のメディアに封じ込めてお金を回収するよりも、オープンにして別の方法でお金回収した方が、より効率的である上に、現在の考え方によりマッチする(プラスになる)という考え方なのでしょう。
#というか元コメントは奴隷の鎖自慢的脊髄反射としか思えないんだが。「要は」って何。思考から直接文章を書くのはやめてくれ。#「俺の所の経験からすると無謀だ」という根拠からの感情的批判はやめてね。MITがやったと言う話なので。
>物理的なコストを発生しないので、雑誌購読者から回収する必要もないのでは。
いや、結構かかりますよ。まずなにより編集部員の人件費。どういう形態で論文誌をやっていくのかにもよりますが、ある程度のレベルを維持しようとすれば雑多な投稿を処理したり、その後の校正(いわゆるトップクラスの論文誌ですと、専属の校正スタッフがいて、間違いを直すとか言うレベルではなく英文とか文章構成自体を読みやすい物に直してくれるんで非英語圏の人間にとってはありがたい)をしたりといった部分にそれなりの人数がいります。それこそElsevierのように(微妙な雑誌が多いとは言え)2000誌ぐらいも発行しているとこの辺の人件費だけでもそれなりに行くかと。また、レビューシステムの構築、維持、改善にも現状だとまだかかりそうな気が。各社ともオンラインシステムの見直し/改善は行っていますが、まだレビューする側としては改善していただきたいところ。
また、
>今となっては配信が増えすぎると問題になるようなデータ量でもないので
というほど少ないでしょうか?そりゃまあ大手配信業者に比べるとゴミみたいなデータ量なんですが、やってる側も小規模経営で、さらに個々の雑誌はそれほどでなくとも出版社全体ではそれなりの数の閲覧/検索がかかります。ですからある程度の規模のシステムを組む必要はあります。#いや実際、時々落ちてますしね。ElsevierとかACSとか。RSCなんてもしょっちゅう重くなるのはどうにかならんものか。
まあ確かに物理的な雑誌を発行するよりはオンライン化によってコストは大幅に下がるのは確かなんですが(そのためオンライン版のみの雑誌が確実に増えている)、だからといってコストがゼロになるわけでもなく。特に難しそうなのが、
>オープンにして別の方法でお金回収した方が
という部分でしょうか。何せ、論文誌なんて論文読む以外にアクセスしようとはほとんど思いませんし。広告で稼げるとも思えず、別な方法ってなんかあるんですかね?なかなか思いつきません。#トップクラスの論文誌ならまあ行けそうですが、それ以外となると……
ああ、でもそういや最近は著者がある程度のコストを払えばオープンアクセスに出来る論文誌も増えてきていたような。こいういうのなら確かに有りかもしれませんね。#10-20万円ぐらい?を著者があらかじめ払っておくとその論文がオープンアクセスになる。
>その後の校正(いわゆるトップクラスの論文誌ですと、専属の校正スタッフがいて、間違いを直すとか>言うレベルではなく英文とか文章構成自体を読みやすい物に直してくれるんで非英語圏の人間にとってはありがたい)
あるソフトウェアの英文ドキュメントを見て殺意を覚えたことがあります。4-6行にわたる文章が永遠と続き、どこにどこがかかっているのか難解で普通の1-2行程度でまとめられている綺麗なドキュメントに比べて読むのに数倍時間がかかった記憶があります。私は箇条書きを心がけてますが…
何せ、論文誌なんて論文読む以外にアクセスしようとはほとんど思いませんし。広告で稼げるとも思えず、別な方法ってなんかあるんですかね?なかなか思いつきません。
広告……化学系の論文誌に「マイナスイオン」とか「水伝説」、数理物理系の論文誌に「カオス理論を使ったパチンコ必勝法」なんて広告が出ているのは……悪夢だな
論文誌論文の購読料には、メディアの物理的なコストなんてほとんど含まれてませんよ。実際、多くのところですでにインターネット配信を手がけていますが、有料サービスとして運営されています。年間購読料か、論文単位での課金という形でお金を回収している。
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一つのことを行い、またそれをうまくやるプログラムを書け -- Malcolm Douglas McIlroy
TANSTAFL (スコア:0)
要は出版社がこれまで雑誌購読者から回収してきた費用をどこにつけようかという話。
もちろん論文投稿者の負担もあるけど、それだけで全て賄えない部分もある。
研究機関が雑誌購読料として年間いくら支出してるかご存知?
オープンアクセスという「聞こえのよさ」の水面下での動きにも要注意。
TANSTAAFL (スコア:1)
Aが一個足りてないですよ
# There Ain't No Such Thing As A Free Lunch
Re:TANSTAFL (スコア:1)
いやまったく。もしこの流れが拡大していくと、論文誌の経営はどうなっちゃうんだろう。「ピアレビューなんていらない」という論もあるけど、やっぱり何らかの形で論文・研究の質を維持するためのレビューは必要だと思うんだよね。
Re: (スコア:0)
ネット上でピアレビューして論文pdfの公開をすれば良いだけの話では?私の研究分野で一番権威のあるジャーナルはそういう構造になっていますし、私が知る限りでは上手く機能しています。
Re:TANSTAFL (スコア:1)
その場合は、レビュープロセスの運営や事務的経費は、学会持ち+ボランティア、という事になるでしょうか。そうなると、学会の年会費とか大学教員や研究員の研究時間減という形でコストの発生場所が移動するということか。うーむ、どっちがいいかは悩ましいけど、論文へのアクセスが簡単になる方がやっぱりいいかな。
なるほどなるほど、勉強になります。
Re: (スコア:0)
業界・官公庁に対する業務や規格策定にも関わっている学会はそうもいかんと思うが.
#ズブズブの医歯薬,土木系の学会から税金取り立てて他の学会に給付金を支給したらどうだろう?
Re:TANSTAFL (スコア:1)
情報科学関連でも小規模なところは投稿・査読・配布はネットで、というとこは結構あります。そこだけ見ればうまく行っているのですが、事務処理はやっぱり泣きどころです。教授の秘書どころか教授本人や、そこの大学院生などがボランティアとして駆り出される状況はいかにもまずい。人件費捻出の方法として素直な実装が、購読料という受益者負担方式なんですが…。
ゆくゆくは、大学がお金を拠出して一般への無料配布、ということになるのでしょうかね。
Re: (スコア:0)
その、(ネタ元の奥村氏の言い方を借りると)
高価かつ入手困難な学術誌
という形態自体をやめてしまえ、ってことでは。
従って
インターネットを使えばほとんど金をかけずに全世界に情報発信できる
ため、物理的なコストを発生しないので、雑誌購読者から回収する必要もないのでは。
さらに言えば論文程度の画像と文章中心のコンテンツならば、今となっては配信が増えすぎると問題になるようなデータ量でもないので、特定のメディアに封じ込めてお金を回収するよりも、オープンにして別の方法でお金回収した方が、より効率的である上に、現在の考え方によりマッチする(プラスになる)という考え方なのでしょう。
#というか元コメントは奴隷の鎖自慢的脊髄反射としか思えないんだが。「要は」って何。思考から直接文章を書くのはやめてくれ。
#「俺の所の経験からすると無謀だ」という根拠からの感情的批判はやめてね。MITがやったと言う話なので。
Re:TANSTAFL (スコア:2, 参考になる)
>物理的なコストを発生しないので、雑誌購読者から回収する必要もないのでは。
いや、結構かかりますよ。
まずなにより編集部員の人件費。どういう形態で論文誌をやっていくのかにもよりますが、ある程度のレベルを維持しようとすれば雑多な投稿を処理したり、その後の校正(いわゆるトップクラスの論文誌ですと、専属の校正スタッフがいて、間違いを直すとか言うレベルではなく英文とか文章構成自体を読みやすい物に直してくれるんで非英語圏の人間にとってはありがたい)をしたりといった部分にそれなりの人数がいります。それこそElsevierのように(微妙な雑誌が多いとは言え)2000誌ぐらいも発行しているとこの辺の人件費だけでもそれなりに行くかと。
また、レビューシステムの構築、維持、改善にも現状だとまだかかりそうな気が。各社ともオンラインシステムの見直し/改善は行っていますが、まだレビューする側としては改善していただきたいところ。
また、
>今となっては配信が増えすぎると問題になるようなデータ量でもないので
というほど少ないでしょうか?そりゃまあ大手配信業者に比べるとゴミみたいなデータ量なんですが、やってる側も小規模経営で、さらに個々の雑誌はそれほどでなくとも出版社全体ではそれなりの数の閲覧/検索がかかります。ですからある程度の規模のシステムを組む必要はあります。
#いや実際、時々落ちてますしね。ElsevierとかACSとか。RSCなんてもしょっちゅう重くなるのはどうにかならんものか。
まあ確かに物理的な雑誌を発行するよりはオンライン化によってコストは大幅に下がるのは確かなんですが(そのためオンライン版のみの雑誌が確実に増えている)、だからといってコストがゼロになるわけでもなく。
特に難しそうなのが、
>オープンにして別の方法でお金回収した方が
という部分でしょうか。
何せ、論文誌なんて論文読む以外にアクセスしようとはほとんど思いませんし。
広告で稼げるとも思えず、別な方法ってなんかあるんですかね?なかなか思いつきません。
#トップクラスの論文誌ならまあ行けそうですが、それ以外となると……
ああ、でもそういや最近は著者がある程度のコストを払えばオープンアクセスに出来る論文誌も増えてきていたような。こいういうのなら確かに有りかもしれませんね。
#10-20万円ぐらい?を著者があらかじめ払っておくとその論文がオープンアクセスになる。
Re:TANSTAFL (スコア:1)
>その後の校正(いわゆるトップクラスの論文誌ですと、専属の校正スタッフがいて、間違いを直すとか
>言うレベルではなく英文とか文章構成自体を読みやすい物に直してくれるんで非英語圏の人間にとってはありがたい)
あるソフトウェアの英文ドキュメントを見て殺意を覚えたことがあります。
4-6行にわたる文章が永遠と続き、どこにどこがかかっているのか難解で
普通の1-2行程度でまとめられている綺麗なドキュメントに比べて読むのに
数倍時間がかかった記憶があります。
私は箇条書きを心がけてますが…
Re: (スコア:0)
何せ、論文誌なんて論文読む以外にアクセスしようとはほとんど思いませんし。
広告で稼げるとも思えず、別な方法ってなんかあるんですかね?なかなか思いつきません。
広告……化学系の論文誌に「マイナスイオン」とか「水伝説」、
数理物理系の論文誌に「カオス理論を使ったパチンコ必勝法」なんて広告が出ているのは……悪夢だな
Re:TANSTAFL (スコア:1)
論文誌論文の購読料には、メディアの物理的なコストなんてほとんど含まれてませんよ。実際、多くのところですでにインターネット配信を手がけていますが、有料サービスとして運営されています。年間購読料か、論文単位での課金という形でお金を回収している。