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メンドくさいので二点について簡潔に。
「物理帝王学」
「物理学帝国主義」というのは昔(1950〜60年代くらいまでかな)よく言われたものだけど、「物理帝王学」てのは初めて聞くなあ。医学部のジャーゴン?
しかし学問的対立から、生物を主とする人達は「物理を学んでも役に立たない」と物理教育に対して反対していました。たぶん、最初は予算獲得と自己の立場強化の為のプロパガンダだったでしょう。
なんか物理学者に罪がないように書いてるけど、物理学帝国主義が叫ばれてたころ、物理学者の一部は、(実際の言い回しはともかく)要するに「化学や生物学は科学じゃない。物理学者が乗り出して科学にしなくてはイカン」という意味のことを言ってたんで。
そんなこと言われりゃプライドは傷つくし、ほっといて「生物学は科学じゃない/未成熟な科学だ」なんて社会的コンセンサスができてしまえば予算や人員を減らされる可能性もあるし、生物屋さんたちも心穏やかではいられんかったでしょ。「さきに喧嘩を売ったのは物理屋だろ」って感じだったのかもしれんよ。
俺も「物理教育反対」てのはやりすぎだと思うけど(でもホントにそんな強い動きがあったのかなあ?)、「生物学なんて必要に応じてちょっと勉強すりゃ足りる程度のものだからことさら教育する必要はない」くらいの勢いだった物理学者もいたような。 # さすがにちゃんとした論説でそんなこと書いてた人はいないかもしれないけど、 # 対談とかでひょろっとそういう意味のこと言ったりしてたんだよね。
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人生unstable -- あるハッカー
大学入試の経験によると (スコア:3, 興味深い)
理系の科目は0点になりうるけども満点もユメじゃない。
という傾向があったように感じます。
理科の中でもやや文系的な「生物」、「地学」とバリバリ理系な「物理」、「化学」も似たような傾向があったような。
それで我々のころは、医学部を受けるのにもかかわらず、満点を狙える「物理」、「化学」を選択し、「生物」を選択しない人間が続出していましたね。
#今は「生物」必修になったわけですが。
Re:大学入試の経験によると (スコア:3, 興味深い)
最近はそこそこの点がとれる生物にむしろ重心をおいて、むずかしい「物理」から逃げていく傾向がでています。 記憶が重みを持つ勉強法にシフトして、論理性思考が訓練されなくなりました。 そのため、論理的思考ができない医学部生が増えています。
医学は記憶/経験も重要ですが、それ以上に論理的思考から症状の原因を類推する能力が要求されます。 特に難しい症状の時には記憶では太刀打ちできません。また最近は放射線治療など直接物理の知識が要求されています。 しかし、そのための訓練を受けてない学生が増えたため質は明らかに低下しています。
一時期「物理帝王学」と言われ、「理系の人間は全て物理を学べ」的な意見が罷り通ってました。 この意見はたしかに極端ではあるのですが、一理ありました。 しかし学問的対立から、生物を主とする人達は「物理を学んでも役に立たない」と物理教育に対して反対していました。 たぶん、最初は予算獲得と自己の立場強化の為のプロパガンダだったでしょう。 それらが発達し、理系科目の中での物理離れが起きました。 おりからの「バイオブーム」とマスコミの誘導でより物理を排斥する傾向が強まりました。 その時の一例として使われたのが冒頭の文句で、「医学部の学生が生物を学ばないのはどうか」です。 たしかに理があったために、市民権を得、理系内での物理のウエイトは減少し、物理の教員数も減少しました。 また、高校生や大学生も物理を学ばなくなりました。現在高校で物理を必修にしているところはどれくらいでしょうか?
一連の排斥運動の結果、生物系の予算は増えいわゆる「役に立つ学問」が幅をきかせるようになったのですが、 一方で理系科目が論理的思考重視から記憶重視型にシフトしました。 生物等も理系科目ですから論理的思考の部分はありますが、物理や数学のそれに比べればその比重はかなり軽くなります。
そして、いまがあります。さて、このままで良いのでしょうか?
私は、たぶん、知の崩壊は理系による物理という学問に対する攻撃から始まったと思うのですが。
#こんなことIDでは書けないので、匿名で。
Re:大学入試の経験によると (スコア:3, 興味深い)
文系は、数学ができないのだから現実には体育会系と重なる集団であり、そういう集団が牛耳っているから理系の力は延びようがない。東大を出てスタンフォードのPhDまで取っても、選挙は結局家柄だのみな鳩山氏が良い例です。かたや欧米では、物理の学位を持ってます、などと選挙ポスターに書いてありますよ。しかも投票率はめちゃ高い。問題の根は深いと思います。
Re: (スコア:0)
> 具体的には軍備(砲弾の軌道に始まり)と金融(市場の先読み)、どちらも日本が弱いものです。
「砲弾の軌道」は軍備ではないし、軍備が「弱い」というのも意味不明ですが、今あまり軍事に熱心でない (ように見える)のは平和憲法や戦争嫌いの風潮によるものでしょう。軍事的才能という点で言えば、旧日本軍の ことを考えれば「弱い」とは言えないと思いますが。
金融についてもよくわかりません。いろいろ失敗はしているけど、諸外国にくらべて特にお粗末という印象はないですね。
> ダビンチもケインズもいなかった。
関孝和
Re:大学入試の経験によると (スコア:1, 興味深い)
メンドくさいので二点について簡潔に。
「物理学帝国主義」というのは昔(1950〜60年代くらいまでかな)よく言われたものだけど、「物理帝王学」てのは初めて聞くなあ。医学部のジャーゴン?
なんか物理学者に罪がないように書いてるけど、物理学帝国主義が叫ばれてたころ、物理学者の一部は、(実際の言い回しはともかく)要するに「化学や生物学は科学じゃない。物理学者が乗り出して科学にしなくてはイカン」という意味のことを言ってたんで。
そんなこと言われりゃプライドは傷つくし、ほっといて「生物学は科学じゃない/未成熟な科学だ」なんて社会的コンセンサスができてしまえば予算や人員を減らされる可能性もあるし、生物屋さんたちも心穏やかではいられんかったでしょ。「さきに喧嘩を売ったのは物理屋だろ」って感じだったのかもしれんよ。
俺も「物理教育反対」てのはやりすぎだと思うけど(でもホントにそんな強い動きがあったのかなあ?)、「生物学なんて必要に応じてちょっと勉強すりゃ足りる程度のものだからことさら教育する必要はない」くらいの勢いだった物理学者もいたような。
# さすがにちゃんとした論説でそんなこと書いてた人はいないかもしれないけど、
# 対談とかでひょろっとそういう意味のこと言ったりしてたんだよね。
Re: (スコア:0)
1949年 湯川秀樹 素粒子物理学
1965年 朝永振一郎 量子力学
1973年 江崎玲於奈 半導体物理学
1981年 福井謙一 物理化学
1987年 利根川進 分子生物学
2000年 白川英樹 有機化学
2001年 野依良治 有機化学
2002年 小柴昌俊 素粒子物理学
2002年 田中耕一 生物化学
何のリストか分かりますよね。
小柴先生が研究者というよりもプロジェクトリーダーとして表彰されたのを除けば、最近の日本人ノーベル賞受賞者(科学部門)は物理学よりも化学、生物に
Re:大学入試の経験によると (スコア:2, 興味深い)
>1965年 朝永振一郎 量子力学
>1973年 江崎玲於奈 半導体物理学
>1981年 福井謙一 物理化学
朝永は誰がなんと言っても素粒子物理学だろ。
小柴はプロジェクトリーダーではなく、本当に物理学者だろ。プロジェクトリーダーもできる研究者であって、彼の物理才能はやはり ノーベル賞を受けるのに値する。まるでプロジェクトリーダーだけの書き方は失礼を通り越しているぞ。
福井は微妙だけど、量子力学を知らないと駄目だから物理化学とはいえ、75%物理で25%化学でないかい?
リストをつくるならもう少ししっかりしようよ。
それはともかく、高校の科目でわけると、物理は約5名で、生物は2名、化学2名って感じでしょうか。
この人数比が逆に物理を攻撃している原因になっていると聞いたことがあるけどね。特に現在教授クラスの人は湯川、朝永に影響されて物理を目指したけど、挫折して生物や化学をやっているので、自己正当化の為に物理を攻撃する傾向にあると、聞いたことがある。どこまでが本当か知らないけど、その分野の方が言っていたので、ある程度は正しいと思う。
>新聞沙汰になるくらいの大発見を日本人の物理学者が行ったりしないと風向きは変わらないかもしれません。
新聞が取り上げない、他の雑音で消える等の虐めはありますよ。
Re: (スコア:0)
こういっちゃ何ですが、江崎先生は僕の母校ので経営面にかかわったけどやっぱりバブル後の工学系は持ち直せませんでした。(芝浦校舎は黒歴史化しました)
向き不向きを考えないで役割をはめ込むとアタマの善し悪しに関係なく不具合でちゃうんだと思いましたよ。結果として先生の学者としての栄光にも傷つけてしまったかもしれないと思ったときは悲しかったです。
#さすがにACかなぁ。