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整数論も、数百年もの間、全く役に立たない学問だと思われていましたが、20世紀になってから暗号理論にとって欠かせない道具となりましたよね。
変形菌類やヒドロ虫類が、将来どんな役に立つか、立たないかわかりませんが、想像すると楽しくなりませんか?
# そんなこと考えてるから役に立たんとか言われるのだろうけど
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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン
ヨーロッパ諸国はどうか知りませんが (スコア:2, 参考になる)
プラグマティズム(「現実に役に立たない学問は不要」という考え)
がかなり浸透している,ということは昔から言われていた話でしょ.
何をいまさら.
Re:ヨーロッパ諸国はどうか知りませんが (スコア:5, すばらしい洞察)
日本的な意味でのプラグマティズムは「現状(資本主義的な意味で)役に立っていない」→「該当する学問は意味がない」という向きで、アメリカ的な思想とは反対かと。
その結果、基礎研究や宇宙開発といった「資本主義的に投資者の利益にならない」研究については失敗ばかりが評価されてなかなか難しい状況が生まれるわけです。
#本当に何の役にも立たない学問ってそもそもありますか?
Re:ヨーロッパ諸国はどうか知りませんが (スコア:4, 興味深い)
実際、米国の某有名大で俺が参加してた弱小プロジェクトは、Intelから大学に「税金の都合で1ヶ月以内にXドル研究費として使いたいんだけど、何か欲しくない?」という問い合わせがきたので「くれ!」とお願いして、DELLのDual XeonなPCに大量のメモリ載せてNT Server入れた状態でdonationしてもらいました。(当時の価格で、日本円で100万円くらい相当だったと思う)しかもdonationですから「報告書出せ」とか「知的所有権の何割よこせ」とかの縛りは一切無しです。
という感じで、米国では(特に有名な大学だと)何の金にもならんような基礎研究のプロジェクトでも、巨大企業が「節税になった上に何か良い研究が進んで市場を開拓してくれたらいいなー」みたいな金が回ってるので、そこに乗っかって種が萌芽するチャンスは多い気がします。(その結果として、米国でも大学発の成功例は有名大を起点としてるケースばかりですけどね。)日本で企業から大学に流れてる金なんて「研究の安上がりな外注」みたいなケースが多いですからねぇ。
建前としては、日本では「企業から集めた税金も含めた全体予算から、役所が研究費の予算をつけているので同じことだ」という理屈になっています。しかし、実際には役人が既得権を離したがらないだけの話な上に、そうやって全部ごった煮になってるので、研究予算も「国民の理解を得やすい」ということが重要になってしまいます。その結果、よく言われる「書類の厚さで予算が決まる」とか、あるいは「絶対に失敗しない(=本質的には完了している)研究にしか金を出さない」みたいな変な研究費の使われ方になってしまうわけです。
Re:ヨーロッパ諸国はどうか知りませんが (スコア:1)
つ「筑波大学第四学群」
見たような聞いたような・・・
itinoe
Re:ヨーロッパ諸国はどうか知りませんが (スコア:0)
# 彼の場合は役に立つ研究をしてはいけなかったわけだが。
Re:ヨーロッパ諸国はどうか知りませんが (スコア:3, 興味深い)
整数論も、数百年もの間、全く役に立たない学問だと思われていましたが、20世紀になってから暗号理論にとって欠かせない道具となりましたよね。
変形菌類やヒドロ虫類が、将来どんな役に立つか、立たないかわかりませんが、想像すると楽しくなりませんか?
# そんなこと考えてるから役に立たんとか言われるのだろうけど
Re:ヨーロッパ諸国はどうか知りませんが (スコア:0)
つ[社会学]
Re:ヨーロッパ諸国はどうか知りませんが (スコア:0)
Re:ヨーロッパ諸国はどうか知りませんが (スコア:0)
(各種)心理学
Re:ヨーロッパ諸国はどうか知りませんが (スコア:0)
>(各種)心理学
ちょーオフトピですが、もしも他人に
色んな物見せたり聞かせたり、
薬物飲ませたり、
脳に電極突っ込んだりして、
思うように動かせるようになったら、かなり「役に立ち」ませんか?
そういう可能性を真面目に考えること自体、アメリカ的というか、
日本人にとっては非倫理的というか、国民性に合ってないんでしょうけど。
社会学だって同です。
Re:ヨーロッパ諸国はどうか知りませんが (スコア:1, 興味深い)
> 色んな物見せたり聞かせたり、
> 薬物飲ませたり、
> 脳に電極突っ込んだりして、
> 思うように動かせるようになったら、かなり「役に立ち」ませんか?
それは認知科学,もしくは認知心理学の領域ですね.
認知系は「心理学」としてはまだまともなほうだと思っています.
ですが,使えない学問として「(各種)心理学」と記載した理由は,
「XX心理学」のほとんどが,
元来形而上学的領域であるはずの「こころ」を,
研究者の主観に彩色された根拠無き統計データを武器に
あたかも「科学」であるかのように喧伝するエセ科学
である場合が多い,という批判が存在するからです.
## 計算式の意味やその式を用いる理由も知らず,
## 自分に都合のいいデータが現れるまで
## SAS とか SPSS とか R でデータ弄ってるだけの
## 「心理学者」が如何に多いか,知ってます?
Re:ヨーロッパ諸国はどうか知りませんが (スコア:2, すばらしい洞察)
「自分の仕事にどういう価値があるか」
を真剣に考えるかどうかという姿勢に大きな違いがあるのです。
そしてその価値の置き所を考えるときに、プラグマティズムが出てくるのです。ただしプラグマティズムを目先の役に立つかどうかという近視眼的な実利主義と捉えると、道を誤ります。
プラグマティズムは価値観のひとつです。したがって我々は価値観に着目しなければなりません。誤解を恐れずに言えば、「世界はどうあるべきか」というビジョンを持っているかどうかです(だから我々から見て欧米人は押し付けがましく感じられることもあるのですが)。
そして、自分が選んだ仕事はその価値観に方向付けられ、ビジョンの実現に資するものになっていなければなりません。
同じ分野に属する研究者でもなければ、あなたの仕事の価値を(できるだけ)正確に推し量ってくれるということは期待できません。だけど、その研究が寄与している「来るべき世界」には賛同または拒否できるはずです。あとはそのビジョンに対する自分の仕事の寄与度や実現度の相談ですね。
こういうビジョンを真剣に何年も考えて己の中で体系化し、自分なりの哲学に育てていくことが重要です。
ビジョンを持たない、小手先の技術の追求というマスターベーションに耽溺する研究者はscientistとはいえないでしょう。
そしてもちろん、これは研究者だけの話ではなく、知識労働者一般に言える話です。蛇足ですが。
Re:ヨーロッパ諸国はどうか知りませんが (スコア:1, 興味深い)
ただその仕事が「役に立つか」を議論しても意味がないということです。
「何の」役に立つか、ということをまず考えるべきです。人の数以上にあるであろう、「来るべき世界」のうち、どのような世界の実現にどのように奉仕する仕事なのか。
よく自分の研究成果をうまく使えるところがないか、他人に一生懸命聞いて回っている人がいます。
自分の想定しない使い方というのは確かにあるでしょうし、それを教えてもらうのは自分の知見を広げる意味では意義のあることです。でも、まず自分自身がその仕事の価値・ビジョンを持っていなければ、三流営業の売り込み行為と大差ないということになるでしょう。
ところが、そういう仕事でも、自分の考えていたところと全く違うところで大々的に活用されブレイクするということは、稀ですがありえます。しかし、それは喜ばしいことかどうかわかりません。逆の場合もありえるでしょう(例えば兵器や市民の監視技術への転用など)。
技術それ自体は価値観とは独立であるからこそ、それを生み出す人間自身が価値観を磨かなければならないのです。そして、自分自身はあくまでその価値観に基づいて役に立つ立たないを考え、仕事を積み重ねなければなりません。
それが、もともとの論点であった事業化に対する答えになります。なぜなら、事業とは世の中の役に立つことをすることだからです。自分の価値観が奉仕する「来るべき世界」とお客様やスポンサーの望むそれがマッチしたときに、事業化の芽が生まれるわけです。
資金をいかに集めるか、とか、失敗後の再起を社会としていかに支援するか、という議論もありますが、こういった自らの姿勢についても、立ち止まって考えてみたほうがいいのではないでしょうか。
お読みになっている皆さんはどう思いますか?