米国の霊長類学者、クロザルは目的の結果を出すために操作ができるため、撮影した写真の著作権者になりえると主張 91
ストーリー by headless
猿権 部門より
猿権 部門より
インドネシア・スラウェシ島で野生のクロザルが撮影した写真の著作権侵害をめぐる裁判で、著名な霊長類学者が法廷助言書を提出し、写真を撮影したクロザルが著作権者だと主張している(法廷助言書: PDF、
Consumeristの記事)。
この写真は英国の野生動植物写真家 David Slater氏のカメラを奪ったクロザルが撮影したものだ。英国ではSlater氏の会社Wildlife Personalitiesが著作権を取得しているとのことだが、米国では著作権者なしとされている。しかし、PETAはオスのクロザル「Naruto」が著作権者だと主張。この写真を使用した写真集でSlater氏とWildlife Personalitiesが著作権者として記載されていたことから、Narutoの著作権を侵害したとしてSlater氏らを訴えていた。
一審の連邦地裁で訴えは棄却されたが、7月28日にPETAが連邦第9巡回区控訴裁判所に上訴した。米著作権局のガイドラインでは動植物や自然による作品は著作権登録できないとされている。しかし、訴状でPETAは著作権法が保護の対象としているのは「著作者」によるオリジナルの作品であり、人間の著作者に限らないと主張しており、今後はAIが独自に作成した作品についても著作権を認める必要が出てくる可能性にも言及している(訴状: PDF)。
この訴訟について、米ノートルダム大学で人類学部学部長を務める、霊長類学者で自然人類学者のAgustín Fuentes氏が4日、Naruto側に立った法廷助言書を提出した。Fuentes氏はクロザルが目的の結果を出すために物を操作できるとし、Narutoが撮影した写真であることが間違いない以上、著作権者はNarutoであるとしている。
なお、Slater氏は写真を撮影したのがメスのクロザルだったと述べており、架空のNaruto像を作り上げて宣伝や収入源にしようとするPETAを批判している。
この写真は英国の野生動植物写真家 David Slater氏のカメラを奪ったクロザルが撮影したものだ。英国ではSlater氏の会社Wildlife Personalitiesが著作権を取得しているとのことだが、米国では著作権者なしとされている。しかし、PETAはオスのクロザル「Naruto」が著作権者だと主張。この写真を使用した写真集でSlater氏とWildlife Personalitiesが著作権者として記載されていたことから、Narutoの著作権を侵害したとしてSlater氏らを訴えていた。
一審の連邦地裁で訴えは棄却されたが、7月28日にPETAが連邦第9巡回区控訴裁判所に上訴した。米著作権局のガイドラインでは動植物や自然による作品は著作権登録できないとされている。しかし、訴状でPETAは著作権法が保護の対象としているのは「著作者」によるオリジナルの作品であり、人間の著作者に限らないと主張しており、今後はAIが独自に作成した作品についても著作権を認める必要が出てくる可能性にも言及している(訴状: PDF)。
この訴訟について、米ノートルダム大学で人類学部学部長を務める、霊長類学者で自然人類学者のAgustín Fuentes氏が4日、Naruto側に立った法廷助言書を提出した。Fuentes氏はクロザルが目的の結果を出すために物を操作できるとし、Narutoが撮影した写真であることが間違いない以上、著作権者はNarutoであるとしている。
なお、Slater氏は写真を撮影したのがメスのクロザルだったと述べており、架空のNaruto像を作り上げて宣伝や収入源にしようとするPETAを批判している。
まずは財産権を (スコア:4, おもしろおかしい)
猿には人権も財産権もないのに知的財産権(著作権)の議論をするのは順番がおかしい。
まずは基盤となる人権や財産権についての議論がかたまってからだろう。
Re:まずは財産権を (スコア:2, 興味深い)
猿は人ではないので、人格そのままではなく法人格みたいな「猿人格」もしくは
猿に加えて鯨・イルカ等も対象にした「亜人格」を新たに定義した方がいいでしょうな。
#まあ、作ったら作ったで、「人ではない」「人である」ということはそれ以外と何が違うのか?ということで
#亜人格への差別が問題になるだろうが…
Re:まずは財産権を (スコア:1)
なぜか鯨類に人権ができて猿の人権は無視されるような気がしてきた
Re:まずは財産権を (スコア:2, 興味深い)
人権とか財産権を前提とする必要はないのでは。
Re:まずは財産権を (スコア:1)
それは、犬の面倒を見てくれる人に財産を与えるのであって、直接犬に財産を与えているわけではないですね。
Re: (スコア:0)
Re:まずは財産権を (スコア:1)
面倒見る人が居なけりゃ、その犬はいずれ餓死することになる。
Re: (スコア:0)
そりゃその犬が訓練されてないからだろ。
犬はちゃんと仕込めば自分で金持って外食も買い出しもこなせる。
Re: (スコア:0)
住居の契約はできる?
他人の土地に勝手に住むのは、なしですよ。
Re:まずは財産権を (スコア:1)
人の重度障害者についての扱いが議論になるので筋があまりに悪いです。
Re:まずは財産権を (スコア:1)
そもそも、人類社会によって保障されないかぎり権利などという概念は存在しないんだから、
サルにも権利があると言い出す方がおかしい
Re: (スコア:0)
フィクションではあるが、スタトレのVOYより。プログラムが作った小説の著作権にて、
VOY第166話「夢みるホログラム」 http://www.usskyushu.com/ds9/voy166.html [usskyushu.com]
https://www.youtube.com/watch?v=Opxu-oqUNhY [youtube.com]
「友人であり、人間より人間らしいということを。セブンは親戚と会話し、自分が幼い頃の話を聞いた。裁定官から結論が言い渡され、ドクターを人間として認めることはできないものの、芸術家の権利は保証された。プログラムは回収され、ドクターは修正版に取りかかる。」
こういう考え方もあるのだろう。
Re: (スコア:0)
米国にワンサといる「法律家」が市場を拡大するための宣伝活動の一つだろうから、順番はどっちでもいいと思ってるんじゃないかなという危惧もある。
写真の存在を知っているのかと (スコア:2)
カメラを操作した結果が写真として出力されることを知らなければ無意味でしょうに
ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
Re:写真の存在を知っているのかと (スコア:1)
記事のページの最後にvotingがあるんだけど、見たらびっくりするよ。
(投票しないと結果でないかも)
投票してみた (スコア:2, 参考になる)
Is Naruto the author of this photograph?
Yes, and he deserves copyright protection 38.69%
Yes, but it doesn't merit copyright protection 30.87%
No, he should not be considered the author in any way 30.44%
論点について思考している人が投票したとは限らないので、こんなものかな
Re: (スコア:0)
カメラをいじる事と写真を撮る事の違いがわからない馬鹿大学教授って・・・
と思ってたけどアメリカ人がバカばかりなのか
Re: (スコア:0)
思考もせずに行動するのをバカというのでは?
Re:写真の存在を知っているのかと (スコア:1)
それこそ、「いつから写真を知らないと錯覚してた?」だな。
一般的に操作して結果を出すことができるのだから、
写真を知らないことをはっきり示さなくてはならない。
結構大変だと思うけど。
Re: (スコア:0)
目が見えない私は、カメラについても存じません。
たまたま手に取った何かに、ボタンがついていることは触感でわかりました。そこでなんとなく押してみました。
ボタンと連動して音が鳴ったことはわかりましたが、それで何が起きたかはわかりませんでした。
私はいつ写真について知ることが出来たのでしょうか?
Re: (スコア:0)
そんな告白をあの猿からどうやって引き出すのだ?
それに反して、餌を取るために一手間かかる機械を操作したという
実験結果みたいなのはあるんでしょう?
Re: (スコア:0)
> カメラを操作した結果が写真として出力されることを知らなければ無意味でしょうに
うちの2歳の娘でも知っています。デジカメで対象物(の名前を言いながら)を撮影して、それを再生して楽しんでます。
一方、チンパンジーの知能は3歳の人間くらいに相当すると言われています。
今回の個別の例についてはどうか分かりませんが、可能性としては、
猿が写真の存在を理解した上で操作することは十分ありえると思います。
Re: (スコア:0)
生活環境って言葉、知っていますか?
その娘さんが電子機器が全くない、それどころか家も家具もないような生活をしていても同じ行動がとれると言い切れますか?
じゃあ猿にも法律を守ってもらおうか (スコア:2)
占有物横領罪?
器物損壊罪?
人のカメラ勝手に使ったよね?
Re:じゃあ猿にも法律を守ってもらおうか (スコア:1)
言ってない、言ってない(^^;
「著作権者になりえる」ならということなんだが...
てばよう (スコア:1)
Narutoなのにキツネじゃないのか。
権利はないが価値が生まれる状況を考える必要がありそう (スコア:1)
このケースでは猿の扱いをどうするかというところでもめてるのでまあどう転んでも他に影響は少なそうですが、「権利者不在の著作権」は多分近い将来大問題になります。
日本でもすでにいろいろ協議が始まっている(参考 [itmedia.co.jp])のですが、AIが作成した著作物に見える何かをどうするのか、という問題です。
小説の世界では新人賞の一次選考突破したような状況ですが、音楽の世界では自動作曲でそこそこ使えるものが作れるようになっています。
そういった作品は現在の方式で言えばAIに作成指示した誰かに権利が行くことになりますが、数打ちゃ当たる方式でバリエーション違いの作品を量産しておいて権利だけ主張して他の作品にけちをつけたりする著作権ゴロが出ないかなどの懸念もあります。
著作権という制度自体を大幅に見直す時期に来ているのかもしれません。少なくともどんな駄作にも自然発生的に権利が湧くという現在の著作権システムは今後運用が極端に難しくなっていくのではないかと思います。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re:権利はないが価値が生まれる状況を考える必要がありそう (スコア:1)
「詠み人知らず」と同じ扱いでいいんじゃないだろうか。
誰の物かはわからないが、「誰か」の物ではない。
もちろんフリーではないから勝手に使うことはできない。
とりあえず、そーゆーのを代理管理する団体を用意すれば?
本件の大本は、件のカメラマンが、自分が撮ったわけではない写真を自分名前で発表したこと、と考えられますよね。
サルの著作権云々だと馬鹿げてるけど、「誰かの権利を侵害した」のではなく「自分に無い権利を行使した」ことは、許されてはいけないと思う。
Re: (スコア:0)
管理団体の名前はJapan AI Society for Rights of Authors, Composers and Publishersでいいかな。
Re: (スコア:0)
自動作曲はそれだけじゃ完成しないのと同じで、写真も撮って終わりじゃないんですよ。
最終的にはプリントする時に加工処理が入るんだけど、エプソンやCANONが作ったAIが最後の処理をしているからといってプリントした写真が著作権者無しにはならないですよね。
写真の場合は撮影者は素材を準備するだけ(カメラ側の自動処理もそれなりにある)、音楽の場合は素材を生成して最終的には人力(半自動も含む)の処理をしてるだけなので、小説の素材を揃えてテーマや文体を決めるといった執筆処理の前に人間が行う操作と大差は無いんじゃないかな。
Re:権利はないが価値が生まれる状況を考える必要がありそう (スコア:1)
プリントの有無とかそういう個別の作業のこと云々ではなく、
「作品として世に出したのは誰か」という事が論点になればいいのだと思う。
”自然の風景の芸術美”について、それを写真や動画や文章にして世に出した場合、世に出した人が著作権者であって、「○○山に吹く雨風が著作権者だ」と言い出す人はいないはず。(土はどうだ岩はどうだ山は死にますか海は死にますかってのは置いといて)
「撮影」はボタン押せば(押させれば)できますが、撮ったものを取捨選択して世に出す出さないを決定するのは誰なんだ、という話。
「著作」ってそういうところが大事だと思うんですよ。
少なくとも現時点ではヒトとそれ以外では大前提として線引きをしておいて、その上で「動物が撮った写真を世に出そうと言うのなら、世に出そうとした人がその”作品”の管理者であり、著作権者として妥当」なのだと思います。
#ややこしいのは「俺のカメラを盗んだサルから取り返したアイツが著作権者なのは気にくわない」または「俺の管理下でサルに撮らせようとしたら持ち逃げされて(以下同文)」みたいなケースでしょうが、まあそれは「盗品カメラで撮影されたものは誰の作品か」という別の問題として処理するとして。
余計なこと思いついた (スコア:0)
1.環境を整え、何かしらの単細胞生物に「目的の結果を出すために操作ができる」ようにする
2.その単細胞生物に著作の些細な一部を担わせて、共同著作者に仕立て上げる
3.その単細胞生物を良い環境で飼育して、ひたすら分裂増殖させる
4.著作権の有効期間を限定する「著作者の死後○○年まで」を永久にクリア!
Re:余計なこと思いついた (スコア:2)
5.あなたの死後、その単細胞生物もシャーレで干からびて、著作権の主張ができなくなるわけですね。
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
Re:余計なこと思いついた (スコア:1)
Re:余計なこと思いついた (スコア:1, 参考になる)
HeLa 細胞は新種 Helacyton gartleri [wikipedia.org] なんだよ。
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
Re: (スコア:0)
リー・ヴァン・ヴェーレンはHeLa細胞を現代新しい種の例として、Helacyton gartleriであると論争的に述べた。
「論争的に述べた」というあたりが、なんとなくmasakunの姿と重なって見えて和んだ。
Re:余計なこと思いついた (スコア:1)
単細胞生物って、分裂しても本人なのか?それとも分裂したら元の単細胞生物の子孫なのか?
子孫だとしたらNGですね。
Re:余計なこと思いついた (スコア:1)
脳の無い生物に知的財産権を認めるべきではないでしょう。
脳のある生物の分裂 [wikipedia.org] (無性生殖)については、脳が別物なら別個体として扱うべきだと思います。クローン人間しかり、双子しかり。
…いや、そうでもないかも?
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%A2 [wikipedia.org]
>「プラナリアの頭部を切断して、尾部から再生させた個体に、切断前の記憶が残存している可能性」を示唆する実験結果
Re:余計なこと思いついた (スコア:1)
「不老不死」と言われるベニクラゲも、ややこしいことになりそう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%8B%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B2 [wikipedia.org]
こんな感じで、法律の対象に人間以外の生命を持ち込むと、全く収拾がつかなくなる。
よく問題提起目的と唱えて野生動物を原告に加えて裁判起こす例があるけど、あれ見ると「私どもは法律に対する基本的センスがございません」と自分から言ってるようにしか思えない。
Re: (スコア:0)
将来のSF時代の到来に備えて議論しておくのは良いと思います。
遺伝子組み換えが容易な時代ですからね。
脳髄は物を考える処に非ず (スコア:0)
「脳がなければ知的ではない」という仮説は自明じゃないと思います。
Re:脳髄は物を考える処に非ず (スコア:2)
Star Trekで昆虫から進化しやつくらいは居そうだな。
伊勢海老って「寿命のない」生物なんだけど。脳がない長生き生物。
もし買っている伊勢海老に諸作件が認められると、管理者の中に食欲に負けた奴が、金銭的にも負け?
Re: (スコア:0)
俺が著作者側の弁護士だったら、DNA鑑定の結果を根拠に本人だって言い張る
Re:余計なこと思いついた (スコア:2)
γ線当ててやる。
粘菌の肖像権 (スコア:0)
粘菌はエサを採取するために迷路を最短経路で解くことが出来る。
目的のための操作が可能な以上、粘菌の肖像権は粘菌に属しているので、
Wikipedia等のサイトは粘菌の画像を全て削除すべきである。
Re:粘菌の肖像権 (スコア:5, おもしろおかしい)
これが粘菌記録問題の発端であった。
非親告罪というアホらしい制度 (スコア:0)
これに尽きるだろ
Re: (スコア:0)
それは関係ないでしょ。
Re: (スコア:0)
米法に、親告罪という概念があったっけ?
Re: (スコア:0)
おれ、毎回毎回、アンドロメダ病原体のwildfireを連想するんだよな
ハヤカワNVになってたのも知らなかった
映画ではhttpみたいな数字三桁の応答があったんだけど、どこから取ってきたんだろうか